色々考慮した結果、2日連続のハシゴです。しかも朝から、という最近は珍しいスケジュール。午後には止む、とは言い条、冷たい雨が降るなかなので、否応なしに電車にて移動です。
訪れたのは、昨日のTOHOシネマズシャンテの目と鼻の先、TOHOシネマズスカラ座・みゆき座――同じフロアにあるとは言っても名称が異なるため、いつもは鑑賞する作品が掛かっている劇場の名称でここには記すのですが、今日に限ってわざわざ並べたのは、この2館でハシゴするため。ハシゴするのにこんなに都合のいい立地はないので、1回や2回やっていそうですが、スケジュールのほうはなかなか噛み合わず、実はこれが初めてのことです。TOHOシネマズに入る前どころか、スカラ座2の頃から調べても1回もやってませんでした。自分でも意外だ。
ともあれ、まずはみゆき座のほうで、午前十時の映画祭《赤の50本》作品を鑑賞。ダシール・ハメットのパートナーとしても知られる劇作家リリアン・ヘルマンが、自らの視点でジュリアという女性との友情、ハメットとの関係を一種サスペンス的なタッチで綴った『ジュリア』(20世紀フォックス配給)。
別に狙ったわけではないんですが、奇しくも直前に鑑賞した『ウィンターズ・ボーン』とどこかムードが重なります。境遇も舞台の広がりもまるで違いますが、全体像の掴めない謎解きであるという点や、それを強い女性の視点で描いている、というのが似通っている。往年の映画らしい広がりを備えながらも、ロマンス、青春ドラマ、そしてサスペンスの要素まで包摂した、一筋縄で行かない秀作でした。
上映が終わると、次の作品まで40分ほど間がある。けっこうギリギリなので、予め劇場近くにあるうどん屋に寄ることを決めていて、急いで赴いたのですが――ここでショッキングな事実に遭遇しました。
1ヶ月も前に、閉店していた。
……かつては讃岐うどんブームを牽引する店のひとつと言われていました。しかし、前にあった場所から移転する頃に経営者が変わったそうで、確かに味が落ちた。うどん自体が好きなので折に触れ立ち寄っていましたが、いつ来ても客は少なかった。それでもまさか、閉店するまでとは思ってませんでした……しかし私自身、六本木の某店に足繁く通うようになったのと入れ替わりに、間違いなくこちらからは遠のいていて、調べてみると1年近く来ていなかったのです。そう考えると当然の結果ではあったのですが……。
いつまでも衝撃に打ちひしがれている場合ではないので、近くにあるファストフード店で購入、劇場に戻りロビーで取り急ぎ食事を済ませました。あることを知りながら利用したことのない店だったのですが、けっこう美味しかった。……でも銀座地区でも1軒ぐらい、昼飯に利用しやすい店を開拓しておかないとなー。
何はともあれ、スカラ座にて鑑賞した本日2本目は、スティーヴン・スピルバーグ監督最新作にして初のフルデジタル3D作品、アメリカで長く愛され続けているコミック・シリーズをもとにした冒険映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(3D・字幕)』(東宝東和配給)。
実はこれ、当初はTOHOシネマズ渋谷にて、全6スクリーンがオープンしたことにかこつけて鑑賞するつもりでいました。が、渋谷とスカラ座にて採用されているソニー製の3D上映システムでようやく普通の眼鏡に装着するためのクリップオン方式の3D眼鏡を採用、販売開始するのが12月3日だったこと、そして渋谷では1日のオープン当日、5と6で観ようと思っても、いまひとつこちらの都合と折り合わなかったので、それなら『ジュリア』とうまい具合にスケジュールが噛み合っているスカラ座で、クリップオン眼鏡が発売される今日観ることにしよう、と決めたわけです。クリップオン眼鏡はあとから買おうと思うと品切れになっている場合もありますし、いつどういうタイミングで観る気になるか解らないタイプの私としては、早めに購入して、使い勝手を試しておきたかった、というのもある。
クリップオン眼鏡の使い勝手は、他社製ので実感していたのと変わりないので省略するとして、映画自体は、最高でした。冒険ものとしてはごくごくオーソドックスな題材と展開、しかし見せ方が巧い、というだけで痺れるくらいに面白い。そして何より、3DCGで描いていること、それを立体的に見せること、をひたすら有効に用いた映像に、終始圧倒されっぱなしです。実写ではカメラの存在があるために不可能なアングル、カット割りをこれでもかと言わんばかりに駆使して描くアクションのまあ強烈なこと。冒険映画の愉しさが、2時間足らずに凝縮されてます。文句なし。
ちなみに今のところ、この劇場に足を運ぶのは今年、あと1回だけの予定です。来週、再来週と、昨年の午前十時の映画祭で鑑賞した作品がかかるから、なんですが……まあ、もう1回劇場で観ておいてもいいんですけどね。
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