『ゲゲゲの鬼太郎』第4話 男!一反もめん

 出産を前に体調を崩し入院する母を献身的に看病し、家事も積極的に担っている綾は、いつもの見舞いの途上、波打ち際で遭難していた一反もめんを見つけ、妖怪であることに拘りなく介抱する。表情のない外見ゆえに苦労もある一反もめんの表情をあっさりと汲み取る綾に一反もめんは心を許し交流を深めるが、そんな彼女をある影が狙っていた……

 序盤の作画の手抜き加減にちょっと目を覆いかけましたが、事件が佳境に入ると特異なアングルや陰影を巧みに使った充実の作画・演出ぶりで一気に面目を改めひと安心。

 話のほうはオーソドックスな異種邂逅を題材にしていて忌憚なし。ちょっと一反もめんの翻心が急激すぎる気はしますが、30分、しかも活劇として見せることを前提とした構成ではこれが限度でしょう。ちゃんと一反もめんの“漢気”を描き、それなりに心温まる話にしているので充分。

 ただ、ゲスト妖怪の扱いがちょっと恣意的だったのが残念。一反もめんという妖怪の弱点に合わせて起用しているのは正解ですが、せっかくの海座頭・船幽霊という若干マニアックな妖怪を引っ張り出しているのに、解釈を誇張しすぎているのは問題。船幽霊が陸に上がっちゃ駄目だろー。

 あと綾ぐらいの年の子供でも“手ぬぐい”とか“反物”という言葉ぐらい知っているでしょうし、あのサイズの布が干してあったら通常タオルじゃなくてシーツぐらいのものと捉えないだろうか、と思いましたが――ま、そんくらいは許そう。充分に愉しい話であったし。

 来週は実写版映画の公開に合わせて題材は映画の撮影現場、ゲストとして実写版で鬼太郎を演じたウエンツ瑛士が出演する模様。このタイアップ手法は長期レギュラー作品ならではだなー。

 最後にもひとつ。前々から目玉親父が眠っているとき、瞼が下りるのではなく瞳孔が閉じているのを不思議に思ってましたが――よく考えると鬼太郎も目をつむるとき瞼ではなく瞳孔そのものを閉じてるんですよ。体質だ体質、水木キャラの。よくよく調べると水木風キャラはみんな瞳孔が閉じて、新作キャラやねこ娘などはちゃんと瞼を閉じているのです。ま、今更ではありますが。

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