映画鑑賞です。昨日のはタイミングの問題でしたが、本日のはもっと単純に、上映前のイベントが目当てでした。
とはいえ、不安がひとつ。割引目当てで日本映画テレビ技術協会の準会員になったことは何度か記したとおりですが、基本的に契約している劇場でないと割引は利かず、現に渋谷シネ・ラ・セットでは使えない。まして本日訪れるのは普通の映画館ではなく、通常は演劇をかけている六本木俳優座劇場というところなのです。はなから割引は利かないだろう、と覚悟していたのですが、しかし詳しく調べるとなんとなく妙な感じがある。で、例しにと電話で問い合わせてみた。
……使えるそうです、普通に。
イベントのほうもそんなに大した人の入りではないそうで、ギリギリでも楽に席が取れそう。……それはそれで切ないものがあるが、兎に角障害はないようなので、夕方バイクにて出発。途中秋葉原に立ち寄ってメタリカのCDとかひととおり確認だけして、それから目的地である六本木へ。
かなり早めに到着してしまいましたが、ほんとーに人が詰めかけている様子もないので、まずチケットだけ確保すると近くの書店で軽く買い物を済ませ、それから劇場のロビーに移動する。
鑑賞作品は、今年でテレビシリーズが第四期に到達した『新耳袋』映像版の劇場用第二作にして初の長篇である『怪談新耳袋[劇場版] 幽霊マンション』(SLOWLEARNER・配給)。通常の映画館とはまるっきり趣の違うロビーでは、お約束の関連グッズ販売の他、作中で特殊メイクを手懸けた西村映造事務所による特殊メイクの体験コーナーなんてのも設けてありました。やらんかったが。接客をしている女の子が腕にかさぶたやリストカットの跡をつけているのが妙にシュールです。作中で使用されていた特殊造形もちょっと展示してあって――って、写真撮ってくれば良かった。長い待ち時間のあいだに、お約束のように原作者木原浩勝氏と中山市朗氏がサインをはじめたので、折角なのでパンフレットに書いていただきました。
午後七時から上映に先駆けてイベント開始。今の記述でお解りになったでしょうが、本日のイベントは原作者お二人のトークでした。お約束の通りに披露されたのは、とある有名な映画の裏で起きていた出来事、映画の原作となったエピソードの執筆にまつわる話あたり――いずれも、もう凝りもせずに延々新宿での徹夜イベントに通い詰めている私には先刻承知の話でしたが、まあそれはそれ。たぶん配給会社の宣伝担当の方と思われる司会者がちらっと話した、他でもないこの俳優座劇場での出来事のほうに寧ろ興味を惹かれましたが、さすがに時間制限のある舞台ということもあってか、あまり深くは追求されていなかったのが残念。内容次第では近いうちに別の場所で聴けるでしょう。三十分ほどのトークののち、本編から上映開始。
肝心の出来は――個人的には好き、だけど全般にシナリオが練り込み不足という感じでした。怪奇描写に対する姿勢や、長篇化するための潤色と結末の処理は評価するんですが、もっと突き詰めて欲しかった。伏線が足りない一方で無駄だったり意味のなさすぎる描写が多いのも余韻を微妙なものにしてます。やたらと狂騒的な登場人物とか、ヒロインの普通そうだけれどちゃんと纏っている存在感とか、長篇化するためのプロットの意図とか、本当に私は評価したいんですけどー。詳しい感想は後日、このへんにアップします。
一般劇場では20日より、渋谷シネ・ラ・セットおよびシネカノン有楽町を皮切りに全国で順次公開される予定ですが、俳優座劇場での上映は21日までとのこと。明日と21日にも最終回にイベントが予定されていますし、特殊メイクの展示と体験コーナーは恐らく他の劇場では設けられないと思いますので、興味がおありの方は21日までに駆けつけてみては如何でしょう。音響も映像も、映画専門でない劇場としてはかなり優秀ですから、その点でも安心して鑑賞出来るはずです。っていうか、本当に客が少なくて居たたまれなかったので、東京界隈のかたで観るつもりの方はとりあえずこちらで鑑賞してみてください、ほんとに。
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