風邪は完治しませんでした。とはいえ別段動くのが辛い、というわけではないので、とりあえず予定どおり六本木ヒルズにてハシゴを決行。……まあ、チケット押さえてあったし。
一本目はあの『メメント』のクリストファー・ノーラン監督が『リベリオン』のクリスチャン・ベールを擁し、アメコミでもトップクラスの人気を誇るヒーローが誕生するまでの軌跡を描き出したアクション映画『バットマン・ビギンズ』(Warner Bros.・配給)。何せこれまでのノーラン監督の作風とアメコミ、という取り合わせがいまいち納得出来なかったので若干不安を抱えていましたが、なかなかどうして、寧ろバットマンの主題と見事に合致して素晴らしい出来。アクション部分でやたらとカメラが動くために、クリスチャン・ベールの身体能力を充分に魅せてくれなかったのが残念ですが、ダークな雰囲気とドラマ性はこのジャンルの頂点にあるサム・ライミ監督『スパイダーマン』シリーズに匹敵すると言っていいかも。日本人としては渡辺謙の出番が思いの外少なかったのがやや不満でしたが(でも作品全体に存在感を発揮するいい役ではあった)、映画としては大満足の出来。『インソムニア』よりよっぽどこの監督の作風に合ってたらしい。詳しい感想は後日、ここいらに。
終了後、次の作品まで四十分ぐらいの時間があるので、近くの蕎麦屋で昼食を――と当初考えていましたが、実際の終了時間は劇場のホームページに記載されていたより十分ほど遅かったため、注文が出るのを待つ余裕はなさそう。第二候補として調べておいた店にてテイクアウトを購入、劇場に戻ってから軽く食事を済ませる。昼食の時間を挟むと慌ただしくていけません。
続く二本目は、日本で誕生しハリウッドにてリメイクされたあの作品が、オリジナル版の監督である中田秀夫のメガフォンによってハリウッド独自の続編となって帰ってきた、『ザ・リング2』(Asmik Ace・配給)。プロットはオリジナルにも第一作にも及びませんが、日本人監督らしい落ち着いたカメラワークと湿った映像感覚によって、ハリウッドのテイストとは大幅に異なる恐怖感を醸成することに成功してます。血やグロテスクな映像に頼らず恐怖を演出しようとする志もそのままなので、不満はあれどある種の安心感をもって観られる作品に仕上がっているのは確か――それでも、あの中田監督のハリウッド進出第一作としてはちょっと物足りなかったかな、という厭味は拭えませんでしたが。詳しい感想は後日、このあたりに。
前者はいちおうヒーローものという扱いだったからなのか、お子様の一団が入場していたりしましたが、後者は女の子の二人連れというのが妙に多い。なかには学校帰りなのか、セーラー服姿の二人組もいて、なんとなーくその反応ぶりを窺ってしまったり。こちとらもう慣れっこなので、物陰からばん、とかいう類の演出でもない限り驚きはしないのですが、彼女らはそれなりに怖かったらしく、エンドロールが流れ始めると早くも盛んに語ってました。いいなあ初々しくて。
帰宅後、簡単に感想の準備などをしたあと、まだ体調が良くないので泥のように眠る。最初のつもりではこのあと、上記二本同様に本日初日のレイトショー映画を観に渋谷まで行こうかと考えていたのですが、さすがにそれをやると風邪を悪化させそうなので取りやめ。平日に観に行きます。
コメント