17日、上野で映画を観てから、地下鉄で新宿西口まで移動する、というまあまあ無理矢理なルートで、またぞろ大つけ麺博を訪問してきました。
変なルートを組んだのは、実のところ、最初にメニューのリストを確認したとき、いちばん気になった一品が今日限りだったから。お店は土曜日から出てましたが、ちょうど昨日が父の七回忌に当たり、土曜は墓参り、日曜は午前中にお寺での法事、夜は自宅にてごくごく小規模のお清め、と私自身の予定が詰まっていて、今日しかタイミングがなかったのです。映画鑑賞を珍しく月曜日にしたのも、どーせ出かけるなら、と調整した結果だったりする。
陽気はやや雨がちで屋外イベントには向かない、しかし平日にこの陽気だと人出も控えめで行動しやすい。飲食スペースにはちゃんと屋根がありますから、よっぽどの吹き降りでもない限りは、むしろ好条件だったりする。
いただいたのは、群馬県渋川市からの参加、らぁめん家 有坂のまぜつけ[背脂煮干のつけ汁付き]。この日は珍しく他にも3店舗つけ麺を提供していて、中には王道の濃厚つけ麺を提供するくり山も含まれてましたが、この変わり種に惹かれてしまいました。
基本はまぜ麺スタイルで食します。通常のまぜ麺は麺と具、底に貯まっているタレをよく混ぜていただきますが、これはどうやら麺にははじめからタレが絡んでいる。縮れた太麺を、魚粉、削り節、葱、たぶん煎った海老殻だと思う香ばしいなにか、岩海苔と薄切りの豚肉というけっこう分量のある具と適度に混ぜてから食べる……のですが、これが結構大変。なにせ器はつけ麺用のもので、決して底は深くない。そこに具材がたっぷり盛られているので、混ぜるのもひと苦労です。私は追加した海苔がぽろぽろこぼれました。他にもウズラの玉子など何種類かトッピングがあって、500円で全部盛りに出来るんですが、あれ、注文した人は混ぜるの大変だったんではなかろうか。
わりと豪快でジャンクな見た目なんですが、いざ食べてみると結構バランスが取れてる。タレが絡んだ麺だけでも強めの弾力とタレの風味が楽しめ、しかも具材の混ざり具合によって多彩な変化が生まれる。個人的に、追加した海苔の風味がよく効くのが嬉しかったのですが、いいアクセントとなるのが海老殻なのかなんなのか、のチップ。歯応えと香ばしさがプラスされるので、より変かが豊かになる。
しかしやはり最大のポイントはつけ汁です。何口かまぜ麺を楽しんだあと、充分に具の絡んだ麺をつけ汁に浸して食べると、これが意外にもあっさりとした味わいになる。煮干しに背脂、とくればまあまあ風味が強くてこってりになりそうなものですが、タレがうまく煮干しのダシと背脂に溶け込んで、ちょうどいい味わいになる。この辺の具が混ざった麺をそのまま口に運んで、次はつけ汁に浸けて、とループしているとどんどん箸が進む。少々麺のコシが強くて疲れますが、驚くくらい食べやすい。
ある程度減ったら、今度はスダチを搾って軽く混ぜると、酸味が加わって爽やかな風味になる。つけ麺博規定の容器のサイズだとどうしても分量は少なめなので、そこまで重たさは感じませんが、通常の店舗でどかんと盛られていても、この最後の味変で充分にいける。
ちなみにこちら、スープ割りの提供はありません。が、最後に少し残った麺をつけ汁にぶち込んで、小さなラーメンとして掻き込めば、スープ割りなどなくても充分に飲み干せます。そもそもつけ汁自体、大した量ではないので、罪悪感はありません……塩分を気にするなら、まぜ麺そのものがわりとアウトだしね!
どうやらリストで惹かれた直感は正しかったようで、今年の大つけ麺博ではいまのところ、私にとってはこれがいちばんのヒット。あえてこのお店のために旅をしてもいいレベル。
……なんですが、調べた感じ、どうやらこれはこのイベント向けの特別メニューらしい。前にもこういうことがありました……限定メニューはお得感もありますが、そこが罪深い……。
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