先週は作業が大詰めだったのと、そもそも疲れているときに観るには尺が長くてキツい、という理由で先送りにした午前十時の映画祭12上映作品を押さえるべく、きょうも今日とて新宿へ。雨の可能性もちょっと示唆されるような空模様なので、大事をとって電車移動です。
TOHOシネマズ新宿にて鑑賞したのは、不遇の才能マイケル・チミノの代表作、工業地帯の青年たちがヴェトナム戦争を経験してその人生を壊されていく物語『ディア・ハンター〈4Kデジタル修復版〉』(ユナイト映画初公開時配給)。
傑作であることを認めるのにやぶさかではない……が、如何せん、導入が長すぎる。共に派兵されるうちのひとりの結婚式前後の姿を描くこのくだり、明白な事件もなく、ひたすら気配と予兆だけで1時間使うものですから、どうしたって倦む。まして、前夜に眠気に負けて早々と床に就いた結果、いつもより1時間は早く目が覚めて、ふたたび睡魔が迫っていた私にはなおさらです。戦場に場面が移った途端、物凄い緊迫感で目は覚めるんですが、それにしたってしんどい。
ただ、描こうとする主題とその説得力は確か。労働者である主人公マイクたちの戦争に対する認識が、あまりに過酷な現実によって破壊される。戦場の仲間たちは多くが死に、幸いに生き残った者たちとて、決して無事ではない。その心の傷の深さを如実に表現したクライマックスは、胸を掻きむしられるようです。
……とはいえ、こうしたすべてを精細に語り尽くす本篇の方向性が受け入れられてしまったかに映ってしまったことが、マイケル・チミノ監督が不遇に終わった一因だったような気がしてなりません。もうちょっと尺の上での抑制が出来るようになってればなー。
鑑賞後は当然のように大つけ麺博へ……その辺はまたのちほど詳しく書きます。
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