11月3日に、2021年7月リリースの『封印映像54 オトドケモノ』を鑑賞。配達員が奇妙な噂の相次ぐマンションにカメラ持参で乗り込んだ一部始終《デリバリー》、引っ越したばかりの休暇で夫婦を見舞った怪異を追う《草むしり》、監視カメラの映像で辿る新入社員が精神的に追い込まれる一部始終《限界》、長期出張で家を空ける友人の留守番をしていたときに経験した恐怖《オトドケモノ》の全4篇を収録。
一時期、どーして日本で働いているのか解らない外国人霊能者をやたら頼ったり、妙に目立つ演出補をフィーチャーしたり、とやや脱線が目立っていた印象でしたが、今回はシチュエーション、展開に工夫があって、とりあえず楽しめる……まあ、随所に演技っぽさ、カメラ位置の不自然さがあって、手放しでは褒めづらいのですが。
とはいえ、設定のひねりは利いてますし、フィクションだ、と割り切って鑑賞すれば充分に見られます。特に表題作は、台詞っぽいわざとらしさ、過剰すぎるクライマックスのせいで、作り物っぽさが際立ってしまっているものの、展開、見せ方は素直に“怖い”と言える。ちゃんと段階を踏んでいるのがいいよね。加えて、ドキュメンタリー部分の終盤で、取材している関係者が急に態度を変えるくだりがちょっと不気味で、かつ面白い。田中さん、あいつになに言ったのよ。
基本的なスタンスを崩していないのは好ましいんですが、願わくば、もうちょっとリアリティを考慮して演出して欲しい……これだけ巻数重ねてるのに、そこだけはいまいち洗練されないんだよなー。
コメント