私はここで生きていく。

 2日連続の映画鑑賞です。最近、観たいものが多い一方で、少し時期がズレるともう時間割が合わない、という事態になりやすいので、気になるものはさっさと押さえるに限る。しかも今週は、土曜日に用事が入っているので、今日がいちばん適当だったのです。
 劇場は、2ヶ月ぶりくらいのTOHOシネマズ日本橋。移動は電車です……以前は自転車で行くことが多かったのですが、このところ電車やバイクが多くて、自転車の手入れが出来てない。昨日のうちにチェックしておきゃ良かったのですが、その余裕もなく、タイヤの空気が抜けてたりするとそれでもうタイムアップの危険があるので、諦めて電車に絞りました。
 鑑賞したのは、日本でも絶賛された小説の映画化、湿地の家にひとりきりで生きてきた女性の姿を、ひとつの殺人事件を通して描くザリガニの鳴くところ』(Sony Pictures Entertainment配給)。原作は未読ですが、やたらと曰くありげなタイトルが気になっていて、初日から駆けつけてしまった。
 ミステリとして満足できるか、と問われるとちょっと微妙。ちゃんと謎解きっぽく構成はされてますが、意外性がある、とは言い難い。幾つか予想するラインのひとつに嵌まっているので、結末で「ああ、やっぱり」になってしまう。
 だからポイントは、家族から捨てられ、湿地のほとりにある家で生き続けてきた女性のドラマにあるのですが……その意味でも、個人的には不満が多い。確かに、アメリカという社会、更にはどこの共同体でもしばしば起きる偏見や拒絶、男性優位の社会での歪みを象徴するような設定と展開には衝撃があるのですが、この題材ならばもっと表現に深みが欲しかった。ひととおりしっかりと拾っている、というのは感じるし、恐らくは原作にあったそうした深みも感じさせるのですが、映画自体には表層をなぞるだけに留まった、という印象を受けてしまうのです。
 ベストセラーを映画化する、という話題性に臆することなく、真摯に作り上げたことは評価出来る。デヴィッド・ストラザーン以外は決して知名度の高くないキャストで固めているので、役者のイメージに囚われず作品世界を受け入れられる点も好感が持てます。しかしそれゆえに、もう一歩踏み込んでくれてたらなー、と思ってしまったのです。

 久々に日本橋に来たので、ふくしま館で昼食を摂って帰るかなー、と思ってましたが、今回も開映が朝早く、終わって家に直行すればちょうど正午。最近お気に入りのソフト厚揚げだけ買って帰りました。久々の福島ラーメンは来週までお預けです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました