続篇にして鎮魂歌。

 本日の映画鑑賞は丸の内ピカデリーです。晴れているのでバイクを出す……不安は、駐車場が空いているかどうか、ですが、今日は開映が9時45分、このくらいに合わせていくと、さすがに埋まっていることは基本的にない。無事にバイクを入れて劇場へ。
 鑑賞したのは《マーベル・シネマティック・ユニヴァース》最新作、国王を失ったワカンダが、海から現れた驚異と対峙するブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(字幕・3D・Dolby CINEMA)』(Walt Disney Japan配給)。MCUとDCEUは基本的にDolby CINEMAでかけてくれるようになったので、なるべここで観るようにしてます。
 ご存じの通り、タイトルロールであるブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンは2年前、本篇の撮影開始前に大腸癌で亡くなりました。それでも、既に決定していた続篇を製作する、と聞いて、果たしてその不在をどう処理するのか? というのはずーっと気になってました。公式でもそのあたりを明確にはアナウンスしてなかったし。
 ブラックパンサーという存在をどう扱うか? という問題については想像通りでした。しかし、事実の取り込み方が見事でした。ブラックパンサーことティ・チャラを失った経緯を現実とシンクロさせ、まるでスタッフ、キャストの葛藤をそのまんま反映したかのように物語を展開している。MCUはもとより、前作を観てなくてもある程度は楽しめる作りにしつつも、知識があるほどに心が震える内容です。
 それでも序盤は随所にユーモアをまぶして転がしていきますが、物語はどんどんと難しい領域に入っていく。唯一無二のレアメタル、という存在を抱えるがゆえの先進国との対立、ワカンダに近しい出自を持つ海中の王国と、共鳴しあう敵味方。そして、その中から立ち上がっていくブラックパンサーの、最後の決断が気高く鮮烈です。
 前作同様、アンサンブル的な手法で空想的なふたつの国家を描きだし、そこから前作以上に正統派の、そして多くの作品を積み重ね膨張していったMCUの新たな地平を指し示した。ドラマシリーズも含めれば『ワンダヴィジョン』から、映画で言えば『ブラック・ウィドウ』から始まり、“マルチヴァース”の概念を吸収して拡散傾向にあったMCUフェーズ4のラスとなるそうですが、この作品世界が次の次元に突入していくことを明確にした作品、という意味では掉尾に相応しい。色々と微妙だったりマニアックに走りすぎたこのフェーズ4では、もっとも後半にアピールする力のある仕上がりだと思います。2時間41分の長尺がほとんど気にならなかった。

 鑑賞後、どうしようかちょっと考えて、久々につるとんたんで昼食を摂ることに。少し行かないうちに、注文がタブレットで出来るようになってました。値段もちょっと高くなってましたが、これはまあ仕方ない。

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