安定はしている、良くも悪くも。[レンタルDVD鑑賞日記その727]

  昨年8月リリースの『心霊闇動画44』を鑑賞。アイドル志望の女性を撮影していたときに起きた怪異“オーディション動画”、深夜のキャンプ場で友人を驚かそうと待機していた撮影者が異常な現象を目撃する“キャンプ場のトイレ”、旧作でも紹介した廃墟のエピソード最後の1本“髪の毛”など、全6篇を収録。
 安定している、といえば聞こえはいいけど、安易なやり方で量産しているだけ、とも言える。何度も書きますが、こっちはどー見てもフェイクだ、と解るとしても、仕込み方、見せ方が巧ければ評価します。その点、このシリーズは正直、あんましひねりがない。結果、基本的には退屈な日常の動画をダラダラ見せられて、急になんか変なものが映り込む、という繰り返しになってしまう。
 それでも、巻数を積み重ねているだけに、そうしたわりあい箸休めめいたエピソードのあいだに、インタビューなどで背景を綴り怖さを増したエピソードを挟む、という構成の巧さは感じる。また、趣向としては安易だけど、展開や背景に工夫のある“オーディション動画”や“キャンプ場のトイレ”などがあるのも、手管を感じさせます……但し後者は、ちょうどこれと一緒に借りた『呪いの黙示録 第二章』で、より巧い見せ方を楽しんでしまった直後なので、やや苦笑いを禁じ得なかった。画面に出て来ない霊能力者の解釈によって、類型の作品とちょっと違った余韻を残そうとした工夫は評価する。
 趣向も演出も工夫がもうひとつ足りない、とはいえ、やっぱり基本は頑張ってると思う。あれこれ腐しながらも、たぶん今後も観続けます。

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