一昨日記したように余裕のない週です。しかし、もともと『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』より先に観るつもりだったこれだけは押さえておきたい。ゆえに本日はお出かけです。
劇場はTOHOシネマズ錦糸町 オリナスです。他のところでもかかっているのですが、あとの作業に差し支えそうな時間帯ばかりで、ここがいちばん適当でした。それでも9時20分開映と朝早く、朝ドラをゆっくり楽しむ暇もなかった。雨が降っているときにふだん利用する交通手段だとだいぶギリギリなので、ルートも変更。
鑑賞したのは、地球の一家に潜入していた土星人が帰還するまでの一ヶ月を描いたSFホームコメディ『宇宙人のあいつ』(Happinet-Phantom Studios配給)。
なにせ本篇のメインとなる一家は長男がバナナマン日村勇紀、実は宇宙人の次男が中村倫也、長女に伊藤沙莉、三男に柄本時生、とやたら濃くて面白そうな配役だったため、楽しみにしていたのです……だから舞台挨拶に行きたかったんですけどね。今回はどうも時間が合わなかった。
期待通りにゆる楽しいコメディ。全員変わり者だけど息の合った一家が、正体を明かした次男と過ごす最後のひと月のトラブル、ドラマを細かな笑いをちりばめて描いている。変な照明や効果音、なんだか解らないけど不思議な力を持ってる子が普通にいたり、と全般にシュールですが、妙な心地良さがある。
SFとしての緻密さは正直ありません。宇宙人の特性や能力が必然性より面白さ重視で、便利に使われているだけ、という感は否めない。しかし、発想に縛りがないので、意表をついた趣向が随所に出てくる楽しさは間違いなくある。
何より、メインとなる宇宙人含む真田家四きょうだいの空気感が実にいいのです。完全に独自のローテーションとルールがある食卓、会話の絶妙な間の取り方、そしてそれぞれ現実にありそうで、ちょっと情けなくて愛おしい人物像。舞台に選んだ高知の、決して著名な景勝地を選ばず、小さな町の光景をそのまんま織り込んでいるのも快い。
宇宙人という例外的要素を除くところでの不自然さ――三男の同級生がやっちゃったことのヤバさや、とある生き物の生態がさすがに気になりはしますが、その緩さも含めて、肩の力を抜いて楽しめる作品。名作ではないけど、観ていてほっこりします。
鑑賞後は錦糸町駅方面に戻り、この界隈ではいちばん頻繁に訪れている双麺にて昼食。それから、行きよりものんびりとしたルートで帰宅しました。
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