『全領域異常解決室第６話』

　美容インフルエンサーが相次いで過食窒息で死亡する事件が発生する。一連のインフルエンサーが揃って利用していた美容クリニックには、余人の知らぬ秘密が隠されていた――
　衝撃のクライマックスを受けて、まずは小夢以外の《全決》メンバーの正体が明かされました。読み通りでした、完璧に……待ちきれなくて、作業が一段落した火曜日にFODの先行配信で観ちゃったんですが、本当にそのときが初めてだぞ。前回の感想で書いた予想のくだりは、本当に本篇観ないで書きましたからね?!　クライマックスの説明で手がかり充分だったし、あとは固有名詞と伏線からの連想で辿り着く内容だったし。
　とはいえ、それでも今回の展開はやっぱり予想を超えていて楽しい。“犬神筋”よりもデカい隠し球が連続で繰り出されて翻弄されましたが、ちゃんとオカルト要素を活かしたサスペンスとしての見応えも豊かでしたし。
　それにしても、序盤の説明で、第５話までの描写の謎が次々紐解かれていくのはちょっとした快感です。さすがにやり過ぎだろ、と思ってた要素が、ちゃんと作品の論理の中では説明がつくようになってるのです。それでもあの人やり過ぎやろ、とは思う。
　なにせ序盤で明かされる秘密の多さと、次回への振りでもういっかい繰り出される衝撃で、印象が薄まっていますが、この回に描かれる事件の背景と結末も秀逸。特に、真実が明かされるくだりは、優れたロマンであり、ロマンスであると思う。観る者も劇中の関係者も煙に巻くような決着が多いこのシリーズでは珍しく、意外に快い余韻を留めます。まあそれも、直後に吹き飛ばされるんだけどさ。
　ゲストにたまーに心許ない人がいるくらいで、基本役者陣は盤石、雰囲気と呼吸をわきまえた演出で、見事に唯一無二の世界へと視聴者を引きずり込む仕上がり。またぞろ落とされた爆弾のお陰で、次回も非常に楽しみです……っていうか、これがアップされる時間にはもう、FODの先行配信で楽しんだあとなんですけどね。次回もけっこう色々衝撃来るで。