映画鑑賞、至高のラーメンフェスと来て、12月13日のハイライト、爆笑問題withタイタンシネマライブ#92です。
食事もスムーズに済んだため、早めに映画館入り。ポップコーンとドリンクも早めに確保し、開場するなりさっさとスクリーンに赴き――座席に飲食を残してトイレに向かう。万全を期すのです。結果、万全ではなかったけど。耐えたけど。
映画館限定の直前映像は、予想通り、タイタン若手のホープとなった感のある春とヒコーキが、ぐんぴぃ初主演映画『怪獣ヤロウ!』の宣伝。妙にワールドワイドを装った新予告篇も上映されましたが、それより気になるのが上映館数。てっきり単館の全国巡回スタイルだと思ってたら、なんとこの時点で全国100館超えだそうです……マジで大丈夫か。これでタイタン傾くんじゃないか。内容的には面白そうなので、私はけっこう期待してますけど。
トップバッターは初登場の早乙女零。XXCLUBのひとりですが、今回は何故かピンで登場。何をやるのかと思ったら、昔の体操服姿で、女芸人エネルギーさやかというキャラクターでのフリップネタ。しかしコンビ揃って知性派なだけあって、ひとひねり二ひねり効かせてきます。結果、だいぶ猟奇的なネタになってました。
2番手はまんじゅう大帝国。豆腐ハンバーグの作り方を説明する、という設定にお遊びを加えるネタ……だけど、達者な彼らには珍しく、序盤のつかみは悪かった。盛り返すのが遅くて、全体にいまいちな印象を残してしまった。こういうこともあるよね。
3組目は、ピンとなって2度目の登場となるあさひ。前回は、ダニエルズのときのネタを応用した感じでしたが、今回はきちんとピンならではの面白みを作っている。終盤の細かなネタのちりばめ方は、時と場所によって応用が利くので、なかなかいいアイディアだと思う。
お次は現役弁護士芸人の藤元達弥。幼稚園で法律講座をする、というネタ。子供向けなのか何なのか解らないやり取りで笑わせた挙句、オチが法律じゃない、というのがおかしかった。5分枠の番組『ぎりぎりを攻めるので続くだけやります法律お笑い』(略称・ぎり笑)でいっぱいネタを作っているからか、完成度が上がってきた気がします。
5番手は本日最初のゲスト、僧侶と葬儀屋のコンビ、ドドん。こちらも『ぎり笑』でさんざん観ているのでお馴染み。しかし、長篇ネタの完成度はショートネタの比ではありませんでした。お葬式における焼香の作法を歌で解りやすく伝えたい、という趣旨で話を繰り広げていく。なにせ、ある程度社会人をやっていると直面する悩みなので実感しやすいし、しかもテーマそのものの広がり方が面白い。このコンビの強みが素晴らしく活きたネタでした。
6組目は春とヒコーキ。最近、妙なブレイクの仕方をしているぐんぴぃではなく、土岡のほうが爆発してます。お祈りメールばかり受け取っている就活生の壊れ方が絶品でした。最後にもうひとつ、締める部分が欲しかったけど、ソコのさじ加減がいちばん難しいかも知れない。
続いてはネコニスズ。相変わらす謎の赤ちゃんキャラを貫く舘野にヤマゲンが振り回される、というフォーマットになってどのくらい経ったか、とうとう噛み合ってきてしまったかも。赤ちゃんでもロケが出来る、と言い張る舘野に渋々ヤマゲンが付き合う構図を、随所で破壊していくのが楽しい。
8番目に登場したのは脳みそ夫。本日はお米のホスト・コシ田光。米に合うとか合わないとか、閉じ込めて水攻め、とかあれこれ米に絡めるいつものスタイル……だけど、心なしかいつもより短かったような。
9番手はキュウ……わざとやってるな。いつもながらの言葉遊びで、絡繰りが解ってきた客と清水をぴろがひたすら翻弄する。私は彼らのネタが本当に好きですが、作るのも覚えるのも大変そうだ、と毎回思う……まあ、今回くらい入り組んでくると、多少文字を落としたり付け足したりしてもスルーされそうだけど。ていうかたぶんどこかミスしてる。
10番目はシティホテル3号室。とあるミュージシャンが初めての武道館公演に感極まる、という導入。何度も暗転があって、その果ての卓袱台返しが面白い。ここまでの事態になると、却って面白がる奴もいそうだけど、それでも色々とあり得そうで笑えます。
続いてはゲスト2組目、さすらいラビー。毎回、コンビの身長差と学歴差を掴みをしてきてるような。ミステリー小説が苦手、という導入から語る内容が、終始頷けます。実在するタイトルをもじった趣向まであって、観ている方としても「本当は好きじゃねーか」とツッコみたいところですが……タイトルの選び方が絶妙すぎて、本当に好きなのか苦手なのか解りにくい。少なくとも、ミステリを知らなくてもある程度は理解できそうなタイトルを選んでいるあたりに、練り込んだ形跡が窺える、ような。
お次はゲスト3番手、ザ・マミィ。俳優のスキャンダルへの対応、というシチュエーション。最近は、ネットで静かに執念的に炎上し続けるケースもあるので、ここでやってることが必ずしも通用するわけではない、とは思うけど、ありそうだし、その後の加速っぷりが面白い。しかし、しばしば指摘されることではありますが、クズキャラの酒井の個性を活かしたネタが中心である一方、ときどき林田もヤバい場合がある。今回はその典型だと思う。
13番手はタイタンの若頭格、ウエストランド。すっかりキレキャラが世間に定着した今だからこそ出来るネタでした。M-1王者としてきちんと結果を残したからこそ至れる境地。観ているあいだはただただ笑ってましたけど、タイタンシネマライブで長年観てきた者として、振り返ってみると感慨深いネタでもある。
大トリ前は毎度お馴染み、BOOMER&プリンプリン。もう何度も観た気がするゴレンジャーネタ……河田曰く、シネマライブでは数年ぶりらしいけど、そもそもほとんどおんなじシチュエーションをこんな長くやっているのが、このライブでは特異です。もう伝統芸のつもりで観てます。
そして大トリは爆笑問題。新しいところで紀州のドンファンの元妻への無罪判決から入り、今年の漢字、アーバンベアといつものように時事ネタを数珠つなぎにしていくのですが、熊と意思疎通が出来るようになればいいのに、というところから趣が変わってきた。ifにifを積み重ねて加速する太田のひとり芝居に田中がハイテンションでツッコミ続ける。時事ネタの数珠つなぎは、どうしても話題ごとに感想が切り替わってしまい、笑いの連続性を保ちにくい欠点があり、そこを構成の巧さで補っていたのが爆笑問題の手法だと思うのですが、今回のやり方はその弱みを更に補ってる。終盤で出てきた題材が良かった、というのもありますが、ここしばらくの爆笑問題のネタでいちばん面白かった。
エンディングトーク、まず出揃ったタイタン若手のなかでも、ネタ中の衣裳のまんま出てきた早乙女零がどーしても目を惹く。いちおうキャラは貫いているけれど、言動はまともなのが変。
順次登壇してきたゲスト陣のなかでは、ザ・マミィの話がちょっと衝撃でした。
今回のネタではいわゆるスライドを用いているのですが、手違いでひとつ飛ばしてしまったらしい。林田は、このままでも続けられる、と踏んで演技を続けていたけれど、いちど舞台袖に退いていた酒井は動揺して、酒井のまんま出てきてたという。林田が目で「いける、いける」と訴えつつネタを続けてどうにか軌道修正したそうですが、酒井は気が気ではなかったとか。しかし、そもそもネタ中の酒井のキャラは、本人のタレントとしての雰囲気とそんなかけ離れていないので、違和感は覚えなかった。酒井も言ってましたけど、ちゃんとリカバーした林田が有能。
一方、最後に登場したBOOMER&プリンプリンは、用いたゴレンジャーの衣裳がもうとっくに売ってなくて、ずーっと同じものを着ているため、素材が剥離しつつあるという。そのため、うな加藤がツッコミをするたびに粉が舞い、最前列の方にかかっていたそうな……ネタをやるなとは言わないから、もう自分たちで作り直しなさい。
これにて年内のライブは終了。2025年最初は2月7日予定。そのときには田中裕二は還暦だそうです。赤いちゃんちゃんこは着ない、と言ってたけど、たぶん相方にはイジられる。
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