世俗的でも、祈りは祈り。

 危惧したとおり、本日は朝から太腿が悲鳴を上げております。ああ出かけんのやだなあ、気分に見舞われつつも、今日はかなり前から予定を決めてあった。移動に手こずることを考慮し、いつもより余裕を持って外出……案の定、おんなじルートなのに、ちょっと時間がかかってしまった。
 鑑賞したのは午前十時の映画祭15上映作品、犯罪の目撃者となった歌手が、身を潜めた先の修道院で思わぬ活躍をしてしまうコメディ天使にラブ・ソングを…』(BUENA VISTA INTERNATIONAL初公開時配給)
 大ヒット作だけど思い入れがある作品ではない。あくまで、午前十時の映画祭15コンプリートのため足を運んだ、という意識なのですが……観るとやっぱし面白いんだよなあ。あちこち間抜けだし、あり得ないところも多々あるけれど、きちんと芯はあって、説得力もある。
 信仰心もなかったカジノの歌手が、いやいや放り込まれた修道院で、とりあえず聖歌隊の仕事をあてがわれたことにより、ある意味当然の活躍をする。その中で、スラム地区のなかにあって孤立し、礼拝者も少なかった修道院に、急成長した聖歌隊が近隣との接点を生み、活気をもたらしていく。自分の行動が思わぬ意義を得たことで、神とともにあろうとする尼たちの意識にも寄り添うようになり、明らかに振るまいが変わっていく。
 ある意味、予定調和のクライマックスなんですが、そういう主人公の変化もちゃんと表現しているから、笑いを誘いつつも説得力があるのです。終始対立していたドロレスと院長の描写、そしてそれを踏まえて始まる万感の演奏が、なおさらに清々しい。
 そんなに乗り気ではなかったんですが、観始めたら普通に楽しんでしまう。こういう、いい意味であとにしこりを残さない作品もやっぱり大事です。

 鑑賞後は毎度のごとく日本橋ふくしま館へ。今回もお目当ては、老麺まるやです。
 このお店が来ると、お昼時のイートインは常に混雑しています。ただし、土曜日は平日とは性質が違うらしい。
 というのも、並んでいる人があんまり要領を理解していない感がある。お昼時にはいつも満席になるため、入口左側にある券売機から、ふくしま館の入口方面へとまっすぐ伸びる通路沿いに列を作り、空席が出来た頃に食券を買って、案内の従業員に半券を渡して空席へ進む、という流れになっている。
 しかし今日は、どうも列の頭にいるお客さんが、勝手に食券を買って、入口右側、フリードリンクのサーバー前からもうひとつ列を作ってしまっていた。慣れている人は、座る前にサーバーで水やお茶を入れて持っていくのですが、恐らくそちらが先頭、という誤解が生じたのでしょう。
 3人くらい並んでしまったところでお店の方が気づき、券売機の前に並び直してもらっていました。私はそのひとり、ふたりくらい後ろにいたので、ギリギリまで食券を購入せずに待機。たぶんそれ以降は、本来のローテーションに戻ったはず。月に1、2回は来続けて何年、一部のお店の方には顔まで覚えられているので、このくらいは義務だと思う。
 ちなみにいただいたのはチャーシューメン。1日20食限定、平日なら12時前にはもうなくなっているのがほとんどですが、どうやら今日はギリギリ間に合ったらしい。

 食後は電車でちょこっと寄り道をして、書店にて買っておきたかった文庫3冊ばかり確保してから帰宅。今月中はもう、このあとほぼ作業に没頭する予定なので、買ったところでまったく手をつけられないんですが。

TOHOシネマズ日本橋、スクリーン1入口脇に掲示された『天使にラブ・ソングを…』午前十時の映画祭15上映当時の紹介記事。
TOHOシネマズ日本橋、スクリーン1入口脇に掲示された『天使にラブ・ソングを…』午前十時の映画祭15上映当時の紹介記事。

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