
先週は『国宝』の感想アップしようか悩んでいたら、こっちの感想を書くことをすっかり失念してました。ゆえに2週分まとめて言及。
ただ、内容的にはちょうど、2週でひとまとまり、みたいなイメージ。女性の地位向上を図る機運が高まるのはまだまだ先というこの時代、女性が貧しい境遇を脱するためには、婚姻よりも手早い道はなかった。それ以前に、苦界から抜け出すためには“身請け”を待つしかなかったなみからすれば、ひとまずはハッピーエンドと呼べる展開ですが、一方、トキの幼馴染み・サワはそうはいかない。彼女なりに、教職で身を立てる、という目標を立てた中で、松江の人々に持てはやされ、明らかに暮らしぶりの裕福になったトキの様子は、まるで別世界に移り住んでしまったような感がある。
ポイントは、トキのほうは勿論、サワにも幼い頃からの友達、という意識ははっきりとあることでしょう。劇中では“瑕をなめ合う仲”と表現していましたが、だからこそ、成功を素直に喜びきれない一面がある。まして、自身の力で現状を打開しようとするサワに対し、トキは家庭に入ることで安寧を得た――ように映る。実際、そんな簡単な話でないことは、視聴者はもちろん、近くにいたサワだって解っているからこそ、胸中は複雑です。
“半分弱”さんこと庄田多吉とのロマンスは、そんなサワにとって救いでもあると同時に、一種の呪いでもあったのかも。なにせ、その成功は見方によっては、サワの努力を無にする可能性だってある――明治初頭はまだまだそんな時代なのです。トキの胸に縋って泣いて「トキのせいだ」と訴え続ける、あの場面は、この時代と、そこに生きた女性を表現する形として、優れた昇華だと思います。
その一方で、この2週間はトキとヘブンが実に夫婦らしくなりました。もともと嗜好や感受性に近いものがあって通じたのは史実でも同様ですが、ふとしたやり取りに、息の合ったところが覗いて快い。こういう、実際もそうだったんじゃないかな、という雰囲気が映像で観られるのが嬉しい。
果たしてトキとサワの関係が前のように戻ったか、は不明ですが、錦織さんの校長内定、庄田さんの英語教諭引き継ぎ、ということも決まったので、また新しい展開になるのでしょう……あー、私が観たかった往時の美保関とか旅先の描写は、あんましないかもなあ……。
……どうでもいいけど、庄田に対する“半分弱”という台詞が、ず~~~~っと“氾文雀”に聞こえて仕方ありませんでした。こういうときに限って朝ドラ受けがなくて、博多華丸・大吉のツッコミもなかったもんだから落ち着かないったら。
余談ですがうちの母は大学時代、昼休みに氾文雀とバレーボールで遊んだことがあるそうな。


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