前巻よりはましだけどね。[レンタルDVD鑑賞日記その938]

心霊~パンデミック~フェイズ31(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 4月12日に、2025年1月リリースの『心霊~パンデミック~フェイズ31』を鑑賞。心霊スポットに向かったYouTuberの遭遇した恐怖の記録《なりつづける》、スタッフ・宇崎が事務所内で発見した謎の映像《だれのしわざ》、専門学校の課題のため、実家にあるビデオテープを調べはじめた男性の発見から始まる《うわがきする》前後編など、全6篇を収録。
 あまりに悲惨すぎる出来だった前巻と比べればまだまだず~っとましになりました……まあ、ただ単純に底が低くなっただけで、全体に滲む芝居臭さとか、スタッフの登場する取材パートに不要な部分が多いこととか、問題点は相変わらずなんですが。
 構成的にも、冒頭《はかのいえ》と《なりつづける》が、どちらも夜間に心霊スポットに赴く、という性質が一致していて、しかも肝心の訪問先の様子がまったく解らない、という共通点があって、観ていて混同する内容になっていたり、全体に映りこむものが窓や鏡などに不気味な表情をして現れる、と似通っていたりして、全体の変化、緩急が乏しいのが引っかかります。シリーズ何本も製作していて、しばしば間隔も設けてるんですから、1巻の中で変化を付けるなり、テーマを統一するならそこを明確にするなり、構成としての工夫がもうひとつ欲しい。
 また、そもそもの話として、怪異であるにしても、不自然さのリアリティが不足しているのも問題。《はかのいえ》はまさに“墓の家”だった、という事実が映像の中で描かれるんですが、小さな墓があまりに密集しすぎているうえ、ほとんどが真新しい木材なので、「本当に小さな生き物が埋葬されている」という雰囲気もなければ、「ある程度の時間を隔てて埋められた」といった、時間的経過や執念のような負の部分を感じる余地がなく、ものすごーく急ごしらえ感が強くて、衝撃が弱い。《なりつづける》とか《だれのしわざ》なんかは、アイディアはいいんですが、掘り下げが甘くて充分に面白さを引き出せていない。
 長篇《うわがきする》もそうです。背景や、当事者が何故こんな行動をしているか、という部分には確かに怖さがあるんですが、登場する映像の中身はいちど観れば自明、というくらいに解りやすいのに、後編で初めて意味に気づくスタッフの鈍感さとか、こういう情報、こういう事態に遭遇したときの反応としてあり得ない、という部分が多くて、やっぱり全体にリアリティが乏しいのです。
 たとえば後編に登場する、投稿者の父親が高校生だった頃の友人。投稿者を交えてのインタビューが終わったあと、もういちどスタッフを呼び出して、投稿者の前では話せなかったことを改めて話してくれるのですが、ぶっちゃけこういう、言ってはなんだが怪しげな映像を製作しているスタッフに、こんな繊細な事情を打ち明けるとは思えない。事情を知ったあとのスタッフの対処もいささか配慮に欠けるし、途端に事態が進むのも不自然だし、いちいち真実味が足りない。普通にフィクションと銘打って出しても、“練り込みが甘い”と指摘するレベル。
 ……前巻よりまとも、と最初に書いたわりには、けっきょく厳しめの書き方になってしまいましたけど、本当に前巻よりはまだ悪くないのよ。本当に。アイディア自体は悪くないものもあるので、あとは……問題点はたくさんあるけど、まあ……。

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