今年は3年振りにバナナマンのライブが開催されてます。もちろん購入に挑みました――が、いつものように撃沈。ライブビューイングがあるだろうからそちらで――と思っていたら、今年は配信がメインとなってました。個人的には、イベントごとにシステムが違うために安定性を気にしなければいけないネット配信より、まだメンテナンスがなされている映画館の大スクリーンで観るほうが集中出来るんですが、まあ仕方ない。
まあ、配信でありがたいのは、観ながら夕食を摂ってもいい、ということ。いつもなら夕食の時間なので、Chromecastを繋いでいるテレビの前に食事を運んで、ゆっくり食べながら鑑賞しました。
ここからは、ネタについて触れていきます。細かいところは伏せますが、ちょっとでも情報を入れずに楽しみたい方はスクロールされませぬようご注意を。
今回もオープニングはキーヴィジュアルと同じ構図からスタート。しかし、その格好良さとは裏腹に、日村さんのヤバいキャラが全開です。この御時世ならではのちょっとした趣向も籠めていた、と設楽さんはエンディングトークで話していましたが、正直、私も観てて解らなかった。それを汲み取るには日村さんがブッ飛びすぎてる。
相変わらず格好いいオープニングはchelmicoの演奏をバックに展開。しかし、夕食のときに呑む薬を持ってくるのを忘れたので、申し訳ないけどここでいったん席を外させてもらいました。7日18時から9日いっぱいまで見逃し配信があるはずなので、そのあいだにフォローしよう……。
2本目は、日村さんが自身の打たれ弱さを訴えるくだりから始まる話。設楽さんの演技力、というかドSぶりの本領発揮、とでも言うべきエピソード。恐ろしいのは、展開的に、設楽さんは本心では言ってない設定だ、という点。このくだりの異様な説得力が、設楽さんのキャラ性と、バナナマンふたりの関係性の象徴かも知れない。日村さんの素っ頓狂な発想も含めて、ある意味この上なくバナナマンらしい。
最初の幕間は《比率》。とりあえず、比率という表現は必ずしも10にする必要はない、ということを訴えておきたい。そこまで含めておかしかった。普通のやり取りなのに。……いつも思うんですが、この幕間の文字ネタ、台本はあるんだろうか。稽古中に会話を録音して、面白いところ拾ってるんだろうか。
3本目のネタは、バナナマン流“風が吹けば桶屋が儲かる”みたいな話。オチはなんとなく想像がつきましたが、展開のひねりが巧い。ある出来事について設楽さんが日村さんに助言を求め、設楽さんがそれを過剰に実行していくんですが、けっきょくどっちも変な人だ。
2本目の幕間ネタは《日村の開放日》。バナナムーンGOLDのリスナーなら覚えのある、日村さんのとある休日をベースにした歌ネタです。この類のねたもバナナマンライブのお約束ですが……これやってる限りは痩せないよね。開放しすぎだ。
4本目のネタは、社員旅行での出来事。バナナマンならではの、舞台移動を駆使して役柄をスイッチさせる手法を用いたネタです。前日のラジオにて、終盤には日村さんがビチョビチョになってる、と言ってましたが、たぶん原因はこのくだりです。キャラクターをスイッチさせる、という趣向まで笑いに取り込んでいて、いまのところ、これができる芸人をバナナマン以外に知りません。個人的には、近年のバナナマンライブの真骨頂はこういうタイプのネタだと思ってます。
3つ目の幕間ネタは《ノリ》。これも日村さんにはよくある、流れを把握出来ずに違うところで大ボケをかますくだり。これを台本であげているのだとしたらちょっと凄い。演じているふたりも。
5つ目のネタはバナナマンライブの定番《赤えんぴつ》。ちょっと驚いたのは、1曲目に珍しく、昔の曲を再演していた点。ふたつ新曲を作るのはしんどかったんだろうか。しかも、中盤以降の流れもいつもと微妙に違います。他のメタは単品で観ても問題ありませんが、これだけは過去のライブの《赤えんぴつ》も観ておいた方が解りやすいかも。2曲目までのくだりがひねりすぎだ。
4つ目の幕間ネタは《なぞなぞ》。日村さんと放送作家オークラの尋常でない勘の悪さを実感する話。
大トリのネタは、厭世的な作家に取材しようとする編集者の話。もともと私がバナナマンのライブに惹かれたのは、しばしば謎解きめいた趣向が籠められるからなんですが、そういう意味では待望の作り。仕掛けに筋が通っているわけではないけれど、いい意味での“ヤバさ”がおかしくも不気味な余韻を残していて、やっぱり好きなネタ。観終わってもまだあれこれと勘ぐりたくなります。
エンディングテーマのあと、きちんと2人によるトークも配信されました。公演中、日村さんの身体に色々と起きてたそうですが、とりあえずライブは完走してくれそうです。何にせよ身体を大事にして、来年もちゃんと公演を実施して欲しい……来年は生で観たいし。
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