1週くらい寝かせるつもりだったんだが。

 とにかく観たいもの、観なきゃいけないものが多くて、順位をつけるのに苦労してます。当初の予定では、緊急事態宣言前後に封切られてしまい、こちらが観る機会の乏しいままに、上映終了を迎えようとしている作品にきょうを充てるつもりでいました。
 しかし、よくよく調べると、終わりそうな奴は、行動範囲内の劇場であと1週ほど上映される。加えて、なまじかかっている作品がいっぱいあるせいで、どれも上映時間が微妙。ならば、いまいちばん観たくなってるのを優先した方がスッキリする、と思い立ち、順位をいったん入れ替えたのでした。

 向かったのは、TOHOシネマズ新宿。この前、点検に出したとき以来乗っていないバイクでの移動です。
 ……正直、油断してました。行く道行く道、ことごとく渋滞。土地鑑を活かしてルートを変えても、そっちはそっちでまた混んでる始末。
 よくよく考えれば当然で、きょうはいわゆる五十日。新宿方面ならば、そりゃあどこだって混んでいる。なるべく早めに現地入りして先に昼食を、と考えていたのが幸いしました。例によって駐車場も埋まっていてしばし彷徨いながらも、なんとか11時には駐車できた。当初は歌舞伎町のなかのラーメン店で食べるつもりでしたが、もはや迷ったり並んだりしたくないので、最近贔屓の麵屋海神へ。開店直後で一番に入店、ほとんど待たずに食べられました。立地が私に理想的すぎる。そしてしっかりコクがあるけどこの上なく柔らかな味わいで、胃弱の私にも優しい。その上で辛味までつけてもらってますから、汗までかく。お陰で店を出たあと、真夏日となったひなかの道もそれほどきつくありませんでした。……なんかもう、新宿での食事はここをデフォルトにしていい気がしてきた。ていうか既になりつつある。
 到着後がスムーズだったので、無事、本篇前の広告上映が始まる前には映画館の指定席に着けました。

 本日鑑賞したのは、おととい観たばかり、感想はきのう書き上げたばかりの『The Final』を補完する最後にして最初のエピソード、《人斬り抜刀斎》が《流浪人・緋村剣心》となるまでを辿るるろうに剣心 最終章 The Beginning(IMAX with Laser)』(Warner Bros.配給)。結局のところ、きのうあんまし頑張って感想を書いたせいで、観ないと治まらなかったのです。
『るろうに剣心』らしさは『The Final』で総括した、そのぶん、その世界観と地続きでありながら、より正統派の“時代劇”に近いトーンで剣心の背景を描ききった力作。
 心配していた殺陣は、敵方の物量にひとりで立ち向かう姿で見事に補っている。逆刃刀ではあり得ない血飛沫舞い散るアクションの壮絶さに度胆を抜かれます。
 そしてその合間愛まで描かれる、平和のための純真な人斬りであった緋村が、次第に人間らしさを見せていくさまが苦しく切ない。やもすると、簡単に刀を捨てるかも知れなかった彼に十字傷を与え、最後まで維新を全うする覚悟を決めさせるクライマックスがまた秀逸です。『The Final』でも場面は引用されていますが、あれだけでは納得のいかなかったポイントにしっかり説明がつけられている。『The Final』だけでなく、先行作でも描かれるシーンがふたたび、丁寧に織り込まれていて、今回も通して触れているひとほど感動が深い。単純に時代劇として観ても、現代的スタイルで仕上げた傑作なんですが、やっぱりこれは『るろうに剣心』で語られるべきひと幕でした。この背景があればこそ、なおさらに彼らが辿り着いた『The Final』が愛おしい。
 とにかくこんどこそは上位スクリーンで観たい、という一心で、IMAXで鑑賞しました。果たしてそこまでの美しさ、鮮明さが必要か? とは思ったんですが、正解でした。基本、暗い場所での戦いが多いので、陰影の表現に優れたIMAXとの相性はいい。『The Final』同様に迫力のある斬り合いの音もより臨場感に満ちている。……ああやっぱし『The Final』もIMAX、或いはDolby Cinemaで観たかった。ワーナーはかつて松竹系メインで展開していたので、ピカデリーのDolby Cinemaでかけてくれて良さそうなものですが、『ガメラ3 邪神覚醒』のリマスターとガルパン、そして鬼滅に押さえられてました。

 鑑賞後はまっすぐ帰宅。ふだん使っているルートは車線が少なく、きょうの感じではどこも詰まっていそうだったので、靖国通りなど、幅の広い道路を選択しました……でもやっぱり混んでいる。五十日に加えて、あちこちで工事による車線減少までしているんだもん、そりゃあ動きが鈍いわけです。
 それでも、行きより20分は短縮できたのは、何度も自宅と新宿間の移動を繰り返していればこそ。
 そんな広い範囲ではありませんが、経験値は大事なのです、それなりに。

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  1. […] 原作:和月伸宏 / 監督&脚本:大友啓史 / プロデューサー:福島聡司 / エグゼクティヴプロデューサー:小岩井宏悦 / アクション監督:谷垣健治 /  […]

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