プログラム切替直後の火曜日は午前十時の映画祭11を観に行く日――としてるんですが、今週は劇場の発表した時間割をだいぶ長いこと睨み続けて、ずらすことに決めました。前々から観たかった1本が、そろそろ1日1回上映にまで減っており、いい加減足を運ばなきゃならない。しかしなんでかどこの劇場も半端な時間にかかっていて、行く時期を図りかねていた。しかし、ユナイテッド・シネマ豊洲で、どういうわけか今日だけ、10時スタートという、私には絶好の時間に上映している枠があった。他の日はすべて11時過ぎ、しかも本篇が2時間32分あるので、11時開映だと食事を済ませて帰ると少々遅くなってしまう。他の劇場も似たようなものなので、私としては通常のスケジュールを崩してでも、きょう行くしかなかったのです。
最悪、雨が降っていても、電車で移動する覚悟はしていましたが、幸い薄曇り程度だったのでバイクにてお出かけ。道路は全般にスムーズに流れてたんですが、一部、妙にもたついている車がいたようで、そこで巻き込まれつつも無事に開映15分前にチケットの発券が出来ました。
鑑賞したのは、リドリー・スコット監督、マット・デイモンとベン・アフレックが『グッド・ウィル・ハンティング』以来に揃って脚本と出演を兼ねた話題作、歴史上最後の決闘による判決を行った事件を、3つの視点から描き出した歴史ミステリー・ドラマ『最後の決闘裁判』(Walt Disney Japan配給)。そりゃ観たいに決まってるやろ。
作りはフランス版『羅生門』っぽい。但し、あちらのように“藪の中”に導くのではなく、最後の章ではっきり“真実”と強調している。結果、名誉や自尊心に囚われる男の身勝手さと、そんな男の所有物として人生をもてあそばれる女の哀しさを浮き彫りにする構造になっている。現代的価値観に合わせた書き換えをせず、いかにもこの時代らしい偏見をそのまま残して表現しているので、なかなかに世界が醜い。リドリー・スコット監督なので美術や映像としてのクオリティは非常に高いだけに、余計その生臭さや社会を覆う空気の閉塞感が強調されている。
なにせ、こういう時代、そして実話をベースにしているので、決着はスッキリしない。終幕で中心人物たるレディ・マーガレットが見せる表情はあまりに虚ろで、観ているほうにも空虚な余韻を残す。
エンタテインメントとして観るには重たく、そこからダイレクトな教訓や警句があるわけでもない。しかし重厚感に満ちた、貫禄のある1本。私としては、やっぱり映画館で観ておいて良かった、と思います。
鑑賞後は毎度の如く、同じフロアのど・みそにて昼食を摂ってから帰宅。先週あたりは迂闊な服装で出かけると凍えるような日もありましたが、きょうは比較的暖かい。用心のためにやや重ね着していった結果、バイクで走っていても、やや蒸すくらいでした。
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[…] 通常ならばプログラム切替直後の火曜日に観に行く午前十時の映画祭11、ですが、2日に記したとおりの事情で遅らせることにしました。とはいえ1週遅らせると、どんなトラブルで観に行けなくなるか解らないので、一般の公開作を観に行くことの多い木曜日にずらした次第。 […]
[…] 原題:“The Last Duel” / 原作:エリック・ジェイガー / 監督:リドリー・スコット / 脚本:ニコール・ホロフセナー、マット・デイモン、ベン・アフレック / […]