今年10本目の劇場詣では、映画的快楽の塊みたいな作品。

 この週末はことに楽しみにしていた作品の封切りです。本当の初日である金曜日に観ることも考えたのですが、連日はどうなの、とか、昨日の用足しの都合も考慮して土曜日に。
 ……しかし困ったのは、やたらと朝が早いこと。尺は手頃なので、2回目の上映を選んでも11時台のスタートなんですが、終わる頃の空腹がしんどかったり、あとの時間割がタイトになったりしてしまう。腹を括り、早起きすることにして、9時5分の回のチケットを購入した。
 まさかの、朝6時前に目が醒めてしまった。
 そこから二度寝すると、さすがに起きられない危険があるので、もはや逆に眠らないよう努めて時間を潰し、余裕をもってバイクにて外出。行き先は日比谷のTOHOシネマズシャンテです。この界隈に行くとき最初に目指す駐車場は、昼時になると埋まっていることも多いのですが、9時前だとさすがにまだ充分な空きがある。理想的な成り行きで劇場入り出来ました。
 鑑賞したのは、『グランド・ブダペスト・ホテル』など独自の世界観と映像で世界的にファンの多いウェス・アンダーソン監督最新作、フランスを拠点とする雑誌の最後の1巻をそのまんま映画化したフレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(Walt Disney Japan配給)
 ウェス・アンダーソンも好きですが、楽しみにしていたのはベニチオ・デル・トロです。なんか久しぶりに、この人の役者としての色気とチャーミングさを同様に活かした作品を観た気がします。これだけで満足。
 ……ただ、寝不足の状態で観るべきではなかったな、とちと公開。相変わらずの絵画の如く整ったカメラワークに個性豊かなキャラクター、洒脱な会話で魅せられるんですが、如何せん、明確なストーリーや全体としての起伏を大きくしない作りなので、寝不足の状態だと、4つ目の“記事”になると随所で意識が飛んでしまった。
 しかし、とにかく観ていて快い、映画的快楽に満ちた作品なのは間違いない。シーンひとつひとつが美しく、愛おしくてたまらないのです。ウェス・アンダーソンらしさの凝縮された、代表作と呼んで差し支えない傑作だと思う。
 残念なのはパンフレットです。旧フォックス・サーチライト、現サーチライト・ピクチャーズからリリースされる作品はパンフレットを雑誌の如く扱っていて、記事はけっこう読み応えがあるのですが、しかし今回、一般的な映画パンフレットにはある、スタッフ&キャスト一覧や、製作国や製作年、字幕などのデータをまとめたページがない。編集過程で含めるのを忘れたのかも知れません。本篇にも字幕のクレジットがなかったので、用意している感想のテキストにも、字幕担当の記載は出来ません。どこかに問い合わせたら解るのかな……。

 前にこの付近に来たときは、映画の尺が長くて昼食時に被ったため、映画館の売店メニューを昼食代わりにしたので、付近のお店では食べていない。次に来るときはカレーうどんを食べてみよう、と思ってたんですが、実は私はきのう、おとといと家でカレーライスを食べている……家とお店は別物、しかもライスとうどんではカレーの味付けも違うので気にしなくてもよさそうですが、でもやっぱり今回も見送りに。
 代わりに訪れたのは日比谷ラーメンアベニュー。既に3店舗コンプリートしているので、順番としては最初に食べたふくもりに行くところですが、ふくもりはこないだ食べたばかりのせたが屋の系列店。これも味はまるで別物、というのは承知してるんですけど、それでもほかの系列にしよう、と思い、金澤味噌ラーメン神仙に。前回も食べた味玉味噌ラーメンを海苔増しで注文……結果、またぞろスープまで飲み干してしまった。美味しかったが身体にはぜったいよくない。

コメント

  1. […] 原題:“The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun” / 監督&脚本:ウェス・アンダーソン / 原案:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ヒューゴ・ギネス、ジェイソン・シュワルツマン / 製作:ウェス・アンダーソン、ジェレミー・ドーソン、スティーヴン・レイルズ /  […]

タイトルとURLをコピーしました