日本人以外に受ける気がない映画。

 1週ぶりの映画鑑賞に行って来ました。
 何がしんどいって、作品と時間を決めることでした。このところ観る本数がだいぶ限られていたため、観たい映画がだいぶ残ってる。当初、新宿で開催中のイベントに合わせ、もう1回新宿で映画を観るつもりでいたのですが、まあ上映時間がしっくり来ない。8時30分とか、たとえ徹夜の翌日で起きる自信がないことを差し引いても、だいぶ行動がタイトになる。どのみち、疲れているのにそこまでギリギリで動きたくない。
 しかしここでいちど少し立ち止まって考えてみた――そもそも、このイベントに合わせてわざわざ新宿まで行く価値はあるのか? と。冷静に考えると、興味はあるけれど、個人的にはそこまで惹かれてるわけではない。ラーメンはあるけれど、日本ラーメン大百科で食べたものに近かったり、私としてはそんなにそそられないものが多いし、それ以外もあえて食べに行きたいほどではない。特に、この土曜日はどうやら会場でお笑いのイベントも用意されているらしい。お笑いは好きだけど、しかし映画を観たあと、食のイベントでついでに観ようとはあんまし思わない。食べるだけ食べてさっさと帰ろう、と思うと……混雑が鬱陶しい。日本ラーメン大百科のように、そのものに行きたい、特に食べたいものがある、となれば、多少は辛抱しますけど、そこまで関心がないと、やっぱり人出が煩わしいのです。
 そうして考え直した結果、あえて今日、新宿に行く必要はない、と判断、別のところの劇場も調べて、最終的にはTOHOシネマズ上野で鑑賞することにしました。9時40分という開始時間もちょうどいいし、家からも近い。今年はやけにタイミングが逢わず利用が減ってますが、やっぱり私にはいちばん有り難い劇場です。
 鑑賞してきたのは、予想外の大ヒットとなったご当地自虐ネタてんこ盛りのコメディ第2作、今度は関西を巻き込んで、壮大な茶番劇を繰り広げる翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(東映配給)
 珍しく邦画で観たいものが複数あって、なおかつ今日封切りの作品でもマストだと思っているものがある悩ましいこの時期にあえてこれを選んだのは、深く考えずに観られるからです。まあ感想を書こうとすれば、あれこれ深読みしてしまうわけですが、基本的には笑ってればいいんだから楽でいい。
 ただ、率直に言えば、全般に「もう一振り欲しい」と感じてしまう、惜しい出来でした。関西を巻き込んだ以外、基本構造は同じだし、クライマックスの見せ場も本質的には一緒。関東における埼玉、千葉と東京、神奈川あたりの関係性を、滋賀や和歌山、奈良と大阪、兵庫、京都に当て嵌め直しただけで、良くも悪くも冒険はしていない。
 しかし、地元ネタを巧みに自虐にして、それを誇張して笑いに変えてしまう手管はほぼ確立されている。さすがに関西のご当地ネタでピンとこない部分もありますが、概ね大人なら解るようなネタが巧みにイジられているので、細かな発見が楽しいです。そして大阪と言えば“粉もん”という呪縛を壮大な仕掛けにしてしまう面白さ。本篇の“粉もん”はほぼ麻薬です。実際にそういう側面もあるんだけど。
 GACKTと二階堂ふみというメイン2人の活躍はもちろん、側近や各都市の代表ばかりでなく、ちょこっとだけ登場していたキャラクターの意外な活躍があったり、関西側のキャラクターのコテコテな仕上がりっぷりも楽しい。メタフィクション的な趣向もあります。そして、基本おバカな内容ながら、ちゃんと展開に伏線まで張ってあって、意外と侮りがたかったりする。関西を舞台にしつつ、最終的な大仕掛けがきちんと埼玉に立ち戻っているのもお見事。
 前作より面白い、とまでは言えないですが、前作を楽しんだ方ならばある程度の満足は得られる。気になるのは、新たに得物にされた関西圏の人びとの評価ですが、タイトルの一部にもなった滋賀での初週興収は前作300%くらいの大ヒットだった模様なので、たぶんきちんとツボは押さえている……はず。第3作が作れるかどうか、は知らない――可能性があるとすれば、九州あたりだが。

 鑑賞後は、ファストフードで母の分も昼食を購入して帰宅。このところ、外食はラーメン一辺倒だったので、新鮮な気分。

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