沈黙と官能の調べ。

 またぞろ映画鑑賞に行って来ました……もうね、本当に、観たい映画が溜まりすぎてるのよ。
 上映開始が11時なので、朝イチで軽く運動をして、パソコンを立ち上げ作業などをちょこっと済ませてから電車にてお出かけ。行き先は日比谷、陽気もいいのでバイクで出かけたいところですが、この時間では安い駐車場は埋まっている可能性が高いので、無駄な労力は先に省いてしまいました。
 劇場は今月累計3度目のTOHOシネマズシャンテ。鑑賞したのは、ジェーン・カンピオン監督の名を映画界に轟かせた伝説の傑作がリマスターで復活、ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター』(Culture Publishers配給)
 何せ有名なタイトルなので、いつか観たかった1本です。経験上、このクラスの有名作はリマスター版がロードショーされると、2、3年すると午前十時の映画祭で拾ってくれる傾向にあると思ってるのですが、絶対ではないし、観たいのならさっさと観るに限る。シャンテでの上映は今日が最終日だったため、むちゃくちゃ駆け込みでした。
“自分らしく生きる”というスタンスの女性をテーマにした映画の先駆けとして知られていますが確かになるほど。『哀れなるものたち』に通ずる、通念に対する反発を、時代背景と重ねて描いている。
 ただ、この反発は決して積極的なものではない。あえて声を捨てた、という主人公のモノローグ、娘の「パパと結婚しなかった」という言葉に垣間見える、本篇に入るまでの複雑そうな事情。この時代としてはアヴァンギャルドですが、そのくせ押し付けられた縁談には素直に従う。でも相手のもとではやはりどこか反骨的な行動に及んでいる。
 現代の人間に掴みかねる言動が多いのですが、そこには1本の強い芯が通っていて揺らぐことがない。終盤は衝撃的な出来事が続くものの、そこでも主人公は決然と行動する。確かにこの作品には、苦難の時代に事故を貫こうとした女性の強さを感じます。
 終始ジメジメとして湿度の高い映像が美しくも観づらいのがちょっと難ですが、ロマンスの情緒に逞しさを加えた特異な名作でした。しかしこのテーマ曲は本当に耳に残るな……。

 映画を観たあとは、日比谷シャンテの地下にある日比谷しまね館に立ち寄り、月にいちどのお楽しみ、酒林堂CHANNELの生配信を眺めながら楽しむお酒を購入。
 そのあと、ちょっと遅めの昼食に、久々のカレーうどんを大盛りで頂いてから帰宅。

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