時間を潰しすぎた。

 月にいちどの透析クリニック通いに続いて、本日はシャントの状態を血管外科に確認してもらう日でした。
 行き先は池袋。昼食の時間が近ければ、診察のあとで西武の屋上にあるかるかやといううどんのお店で食べるのが、私にとっての池袋でのお約束です。しかし、血管外科の診察はだいたい朝いちばんなので、間が空きすぎる……毎回、あいだに映画を1本は冷めたらちょうどいいんだけどな~、と思いながら近隣のスケジュールを調べてはみるのですが、他の患者さんの診察でずれ込んだり、そもそも私自身のコンディションに問題があって長引くことだって考えられるので、終了時間がどうしても読めず断念している。
 なので、血管外科に通院するときは、診察あとで西武の地下に赴き、食品専門街にあるかるかやのお土産用店舗で生麺を買って、帰宅後に家で母といただくのが恒例になっている。うちの母は料理の経験値がやたらとあるので、だいたいの感じを伝えたら、かるかやのつけうどんっぽく仕上げられるようになってしまったから、これでいいのだ。
 ただ問題は、かるかやの地下街の店舗は、朝に訪れても開いていなかったことが続いている。どうも手が足りていないようで、地下街の営業時間が遅くなっていたようなのです。それでこのところ、2回連続で断念している。今日もその可能性がある、と母に伝えたうえで、出かけてきた。

 ……診察、10分で終わっちゃった。

 それ自体はいいことなのです。シャントの状態に異常がない、という証明で、追加の処置はまだ必要がないわけですから。
 しかし、西武の営業が始まるまで、小一時間余っている。この余白をどうするべきか、しばし悩んだ。

小泉八雲のお墓、左側は妻・セツのお墓。

 気づいたら、雑司が谷霊園にある、小泉八雲のお墓を訪れていた。

 だって、その辺にある史跡でも眺めてこようかな、と地図を調べたら、雑司が谷霊園まで意外と近いことに気づいてしまったのよ。八雲のお墓だけでなく、他にも著名人のお墓があるんだもの。そして、他にめぼしい史跡が地図では確認出来ないんだから、行くしかないじゃない。
 というわけで、テクテク歩いて雑司が谷霊園に赴き、iPhoneの地図で確認出来る範囲で、著名人のお墓を訪ねてみる。他にはジョン万次郎、夏目漱石、永井荷風のお墓を巡ってきました。
 そしてひととおり巡ったあと、西武池袋方面へ戻り、地下食品街へ。
 かるかやの店舗を覗くと、どうやら職人さんはいる。が、その方が言うには、「麺を打っているところなので、あと30分くらいかかる」。
 ……もう待ちましたさ。幸い、同じ階に三省堂書店の文庫や文芸書新刊の棚がある。私は本屋があればそれなりに時間は潰せてしまう。既に小一時間以上歩いているわけですが、ここまで来たらうどんを買って帰りたい。ひたすら物色し、ついでに歩を買うか悩み、これ、というものが絞り込めず手ぶらで離脱。しかし、うどんだけはしっかり確保しました。

 あとで冷静に振り返れば、診察のあと、その辺のカフェで、持ってきた文庫本(!)でも読んでれば、ここまで体力を消耗することはなかったのです。しかし、なんでかこういうとき、私は歩く方を優先してしまいがちです。幸か不幸か、2時間くらいなら休憩しなくても歩き続けられる体力くらいは最近、身についているし。
 とはいえ、さすがに疲れました。長いこと懸案だった、八雲のお墓を訪ねることが出来たのは幸いだったけど、もうちょっと考えて行動すべきであった……。

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