海底王国vs日本海軍の残党。

 当初、今日観る映画は、だいぶ前から心に決めていました。
 しかし、その後、とある情報を掴み、挑戦と調整を行った結果、当初のお目当ては後日に回すことに。アテが外れた状態ゆえ、今日は自宅で大人しくしている、という選択肢もあったのですが、不意に昨年の心残りを思い出し、前日に急遽、外出を決めました。
 行き先はTOHOシネマズ錦糸町 オリナス。ここは駐車場が使いやすいので、天気が良ければバイクで訪れたい……が、この週末は大寒波が襲ってきている。まだ今日は楽な方、とはいえ、さすがにバイクに乗るのはかなり寒いはず。いっそ、大人しくバスに乗るべきか……と悩むだけ悩んで、けっきょくバイクに乗りました。Gパンの下にタイツ履き忘れて、下半身の冷えで凍えそうだったけど。
 鑑賞したのは、午前十時の映画祭14上映作品、『妖星ゴラス』と同じ本多猪四郎監督&円谷英二特技監督コンビによるSF大作、海底で勢力を広げるムー帝国の脅威に、第二次世界大戦後から密かに建造されていた秘密兵器が挑む『海底軍艦』(東宝初公開時配給)
 製作は『妖星ゴラス』の翌年、海底王国の様相や超化学兵器のSF的考証のレベルは現代に及ぶべくもなく、やっぱりツッコミどころは多い。ただ、『妖星ゴラス』と比べると、海底軍艦が建造された背景や、その活用を巡って起きる葛藤、というテーマはけっこう興味深い。こんな経緯で、あそこまで高度な軍艦が秘密裏に建造できんのか? という点をさておけば、価値観の乖離は頷けるところです。ドラマ部分で特撮スペクタクルの尺を食わないこと、全体の尺を冗長にしないことなど、制約があるせいで、もっとちゃんと相克を描くべきところがだーいぶあっさり片付けられているのは不満でしたが、このあたりのテーマは着眼だと思う。
 ただそれでも、科学知識の高さのわりに他の勢力を見ていない、動きを予測できない愚かしさが敵味方どちらにも窺えるあたりはやっぱり引っかかるし、本篇あとにアナウンスを出すくらい、滲み出る差別的な発想も気になる。そもそも、ムー帝国の人々のヴィジョンが、SFというより伝奇物なのよね。
『妖星ゴラス』同様、それらのギミックを丁寧に構築した美術と特撮は、やっぱりこの時代ならではの芸術品です。そして、もはや現代では想像しにくく、許容されない世界観や趣向もまた、時代のひとつの象徴として珍重すべき作品だと思う。

 実のところ、今日の主目的は映画鑑賞のあとでした。
 錦糸町にある双麺は、私がかなりの回数通っている数少ないラーメン店ですが、昨年末に訪れた際、ここの極太つけ麺が目当てだったのに、食券を見間違えて普通のラーメンを買ってしまったのが、この数日、心残りだったのです。もちろん、、普通のラーメンも美味しいんですが、私はここの極太つけ麺が好きなのです。
 前回はたまたまお店の会議とかち合って待たされましたが、今日はちゃんと開いていた。まだ11時半くらいの到着ながら、空席がひとつしかなく、けっこうギリギリセーフ。
 ともあれ、今回はしっかりとボタンを確認して、無事に極太つけ麺にありつきました。塩、醤油、味噌の3種のスープから選んだのは味噌、今日は味玉もつけてもらい、しっかりと堪能。味が濃いので、スープ割りをもらってもつけ汁を飲みきれないのですが、お店の方が多めにタマネギを盛ってくれたので、今回は呑みきってしまいました。私の持病からすると、あんまし良くないんですが、まあ昨日、透析でドライウェイトまで抜いてるので、今夜の透析でリセットできるし。

TOHOシネマズ錦糸町 オリナス、入口手前の通路壁に掲示された『海底軍艦』上映時の午前十時の映画祭14案内ポスター。
TOHOシネマズ錦糸町 オリナス、入口手前の通路壁に掲示された『海底軍艦』上映時の午前十時の映画祭14案内ポスター。

コメント

タイトルとURLをコピーしました