あんだけ楽しみにしていたのに、封切りの翌日に鑑賞することにしたのは、このイベントのためです――もちろん、初日の舞台挨拶の抽選には申し込んだ。しかし、案の定討ち死にしまして、遅れて販売が始まるこちらのチケットに狙いを定めたのです。発売はTOHOシネマズ公式の販売サイトのみ、通常の作品ならシネマイレージ会員は3日前の21時から購入可能なのですが、公平を期すためか今回は一般と同様、2日前になった深夜0時から販売。ちょうどこのとき、薬の詰め替えをしていたところでしたが、手を止めて待ち構え、時間になると同時に確保にかかりました。思いのほかスムーズで、理想ではないけれど、私の基準では充分理想的な席が確保出来ました。
ちなみに、2時間後にはもうほぼ埋まってた。
というわけで、当日です。
開映は13時。早めに現地入りして、近くで食事する……と考えてましたけど、なにせ土曜日の上野界隈は混んでいる。食べに行きたい店も、スムーズに食事が済むかは謎なので、自宅にて早めに昼食を摂ることに。それでも、現地にはやや早めに入って、アトレ上野の三省堂書店で捜し物をする……在庫だけ調べて、漠然とアタリをつけただけだったので、現地にてお目当てのものが発見できず、移動しなければいけない時間が来て、手ぶらで切り上げましたけど。
そして映画館に移動。さすがに混んでましたが、ちゃんと上映開始前に買い物から用足しまで全部片付けることが出来ました。鑑賞したのは、井之頭五郎が世界を股に掛けて食の冒険に赴く『劇映画 孤独のグルメ』(東宝配給)。感想はリンク先をご覧ください……さすがに間が短いので、書き足すことはあんまりない。これをアップしたあとで、パンフレットを参考にスタッフやキャストには少し書き加えます。
本篇のあとはいよいよ舞台挨拶です。登壇者は監督&主演の松重豊のみ、司会は東宝の宣伝プロデューサーで、3日間に亘る首都圏行脚方式の舞台挨拶ですから、上野の会場にはメディアすら入ってません。すご~く伸び伸びした雰囲気でスタート。
まずは松重から、劇中に登場した料理で食べたかったものは? という問いかけが。ある料理で手を挙げたら「ロイヤルホストへどうぞ」、別の料理は「ちょうど近くに一風堂があるので、そちらで……」というくすぐりが。しかし後者については、劇中でオダギリジョーが着ていた制服が、一風堂のニューヨーク支店からお借りしたもの、というエピソードがちゃんとついてきて、さすがに巧い。
前述の通りメディアは入っておらず、松重さんもさんざん宣伝としてあちこちで喋り尽くしたので、質問を受け付ける形で進めたい、とのこと。質問者には特別に、劇中で使われる《井之頭五郎》の名刺をブレゼント、というので、こういう趣旨としては珍しいくらいにいっぱい手が挙がる。私も挙げたかったくらいですが、基本、疑問は自己解決してしまうたちなので、こういう場で咄嗟に大したことが思い浮かばない。大人しく、メモを取ることに徹しました。
以下、ざっくりとしたメモをもとに、可能な限りQ&Aを記載しておきます。あくまで、急いで取ったメモに基づいているので、松重豊、質問者双方の文言通りではない、ということにご留意ください。あ、上映後のQ&Aなので、ネタばらしもたくさんしてますから、避けたい場合はここから先は本篇鑑賞後にお読みください。
Q:ドラマに登場したお店で、いちばん印象に残っているのは?
A:池袋の楊1。まだドラマが面白くなるか解らない時期で、ここで食べたとき、この仕事楽しいな、と実感。その後、年の瀬には中華おせちをいただいたりと交流が続いている。1軒1軒思い出はあるけれど、そちらはいちばん美味しかったのは?(と質問者に訊き返す)
Q:しお田のとんかつ2が……
A:しお田は僕もオンエア前に行きました!3
Q:いちばん辛かったのは?
A:若いスタッフがリサーチしたとき、炭水化物祭りになったことがあって、そのときばかりは如何なものかと。
それ以外は特に……撮影前に食事をセーブして胃を空っぽにして臨むので、いくら食べても満腹にならない。
ブータン料理4は大変だった。赤いものより、青いものの方が辛い。家に帰る前に喫茶店に寄って、頼んだことのないキャラメルマキアートを注文してしまった。
Q:映画の撮影で印象に残るのは?
A:もともと日本と韓国だけの予定が、尺が足りない。ならフランスで撮りたい、と提案したが、プロデューサーは渋い反応。が、後日「JALのタイアップが取れました」で撮影可能に。
フランスなら杏ちゃんだろう(笑)と、相談に乗ってもらった。
フランスではオニオングラタンスープが基本で、ちゃんと作らなければ美味しくならない、という話だったので、それを基準に選出。
お店はいっぱい回った。モンパルナスの挽肉とチーズとトマトの煮込み料理も美味しかったけど、最終的に劇中のお店に。
Q:善福寺六郎(遠藤憲一)のスーツは五郎さんのお古ですか?
A:昔着ていたものをそのまま遠藤さんが着ている。昔はお互いに代役をしたりしていて、体型もほぼ同じ。
善福寺六郎が主演の『孤高のグルメ』派、間違ってそう呼ばれることが多かったので、使ってしまおうと(笑)。苗字は井の頭の隣の善福寺、名前はひとつあとの六郎。
Q:五郎さんが初めて自分で料理して食べたのが印象的でしたが、何故あのシーンを?
A:失敗するシーンがどうしても入れたかった。ドラマでは(実在のお店を使わせてもらうため)どうしても出来ない。食中毒に遭うとか、オンエアも無理。絶対やりたかった。東宝からも止められた(笑)
泡も吹きたいので、メレンゲを口から吐いたりしている。(キノコで倒れたかったが)キノコのせいにするのも悪いので、貝と混ぜてあやふやにした。
Q:松重さん本人の好きな食べ物は?
A:昔から何でも食べる……が、これだけ長く続けていると、スタッフが好みに寄せてくる。
劇中で言われたとおり、タルタリストらしい。(主題歌担当の)ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトとバイトしていたくらいで、中華も好き。あと羊肉も。
缶詰のアスパラガスだけは苦手。あれが出てきたら番組を降板する(笑)
Q:SUPは立つのも難しいスポーツですが、経験はあったのか?
A:毒鍋とともにどうしてもやりたかったのがSUPでの遭難。SUPは内海の波のないところでなら何とか立てた。撮影の時間が少なく、スーツが濡れるとやり直しが利かないので、一発で撮影。
本当は外海に出るところまで撮りたかったが、湾の外に出ると操縦不能。日没までチャレンジしたが、成功しなかった。
Q:漂流して辿り着いた韓国での支払いはどうしたのか? と思ったけど、クレジットカードがあれば何とかなるか、と自己解決しました。イベントで展示されているスーツは濡れたものでしょうか?
A:確かにお金はないが、パスポートとクレジットカードはあった。仮に支払いが出来なかったとしても、入国管理客の審査官(ユ・ジェミョン)が立て替えたのではないか……といちおうは考えてあります(笑)
展示されたスーツはたぶん濡れたものを使用している。
と、このあたりでタイムアップ。最後に、メディアがいない、ということで、完全に観客に向けてのフォトセッションを実施。最後にはお馴染み“孤独”ポーズまで披露してくれました。遠慮なく使わせていただきます。
最後にもういちど松重さんから感謝と宣伝のお願いがもういちどあって、舞台挨拶は終了。昨日の、他のキャストも登壇しての舞台挨拶には落選しましたが、たぶん内容の密度や観客との距離感の近さはずっと上だったので、こっちで良かったのではなかろうか。
鑑賞後はまっすぐ帰宅。お腹の方は、映画を観ながら、コラボで発売している濃厚とんこつラーメン味のポップコーンを食べていたので、いちおう無事……むしろ、ふだん昼寝をしている時間を使ったため、眠気の方がキツい。帰宅後、しばらく横になることを優先しました。それでも眠気は取り切れてないので、たぶんこのあと、いつもより早く休む。
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