午前十時の映画祭16オープニングは、初のアニメ作品。

 昨日から、午前十時の映画祭16が始まっております。
 基本は平日に観に行くようにしていますか、何せ最初の1本、それも、TOHOシネマズ日本橋からシャンテに上映館が変更された最初の1本です。初日に観に行――きたかったのですが、生憎、初日である昨日は、医材の搬入が午前中に来るので、お出かけ自体が難しい。というわけで必然的に、私の映画祭初日は本日になったわけです。
 シャンテでは朝一番以外の上映も実施される、という事前情報どおり、初週は夕方以降にも枠がありましたが、やはり私には朝イチが嬉しい。しかも、最近はそれぞれの劇場の都合に任せている開始時間も、とりあえず最初くらいは、と考えたのか、しっかり午前10時。劇場としては使い慣れてるし、遅めの時間だし-、と余裕をぶっこいていたら、出るのがちょっと遅くなってしまいました。充分間に合ったけど、肝が冷えた。
 午前十時の映画祭16オープニング作品は、この映画祭では初めてとなるアニメーションです。原作者・大友克洋が自ら監督し、崩壊・再建した東京で巻き起こる特殊能力バトルを、緻密かつ圧倒的ディテールで描いたAKIRA アキラ(1988)』(東宝初公開時配給)
 映画祭では初でも、4Kのリリース以降、上映の機会が増えていて、私も何だかんだで3回目。内容はほぼほぼ把握しているので、気分的にもゆったりと鑑賞してましたが――この映画祭のオープニング作品としてはなかなか異質ではなかろうか。けっこうハードなSFだぞ。
 ただ、すごく作り込んだ世界観である一方、ドラマとしての見せ場はすごく単純とも言える。不良少年の中でみそっかす扱いされていた鉄男が常軌を逸した力を手に入れ、困惑しながらもその力に魅せられていく。その始末をつけるために、思慮は足りないが肝の据わった仲間が奔走する。特殊能力を持つ子供たちの間で、深く語ることもなく思わせぶりな要素が仄めかされたり、ケイやカオリというキャラクターを介して少年漫画らしい情動を誘いつつも、映画の筋としては王道なのです。
 もちろんそんなのは理屈でしかなく、当時はもちろん、いま鑑賞してもその抜きん出た創造性と力強さに痺れます。この映画祭ではちょっと特異ですが、選ばれるに相応しい傑作……でも冷静に考えると、過去には『海底軍艦』とか『妖星ゴラス』、今回は『ガス人間第一号』とか『マタンゴ』みたいなのが選ばれてるので、そういう国産特撮ものの延長上にあると思えば、唐突でもないのか。
 なお、午前十時の映画祭の上映館として、シャンテはまだ色々工夫の余地あり、といった印象。チケットが安めなぶん、売店の利用者が多く、しかも飲食とグッズを同じレジで扱うので、だいぶ混雑していました。ここはトイレの数も少ないので、観客が多いときは他の階も利用を促す、とかの配慮が欲しい。気になると言わずにいられないので、いちおうちょっと話をさせてもらったところ、先方もその辺りは留意していたそうで、今回だいぶギリギリになっていたのも解っておられたらしい。TOHOシネマズで唯一、ミニシアター的な役割を果たしているシャンテのコンセプトは好きですし、午前十時の映画祭を続ける以上は今後、かなり通うことになるはずなので、いちおうご留意ください、とお願いして、出てきました。
 ちなみに、この映画祭特有の、紹介記事を入れ換えるポスターは踊り場にありました。紹介記事をプリントしたB5チラシサイズの紹介記事は、上映階入口すぐのカウンターに掲示するようにしたらしい。シャンテならではの壁面ヴィジュアルや、他の場所に飾られたポスターは、今後の上映作品からピックアップした画像を並べる形のもので、更新されるかは不明……内心、あの壁面のヴィジュアルに、紹介記事を入れ換える奴を使ってくれるのかも、と期待してましたが、さすがに大変なんだろうな。

 映画館を出ると、行きには曇っていただけなのに、しっかりと雨が降っている。
 お昼は有楽町駅そばの丸亀製麺で済ませようかな、と一瞬思いましたが、けっきょく、当初の考え通り、歩いて神田方面へ。現在、日本橋ふくしま館のイートインに、お気に入りの坂新が来ているので、軽い運動がてら歩いて立ち寄るつもりだったのです。
 ただ、やっぱり雨のなかでやることではなかった。大降りにはならなかったものの、ジーンズの裾はそこそこ濡れましたし、気温は暖かいのにまあまあ冷えた。体力も消費した分、肉そばの温かさと美味しさをいつも以上に堪能は出来ましたが、ただ歩いて来るだけのときとは違う疲れに見舞われたのでした。

TOHOシネマズシャンテ、階段踊り場の壁面に掲示された、『AKIRA アキラ(1988)』上映当時の午前十時の映画祭16案内ポスター。
TOHOシネマズシャンテ、階段踊り場の壁面に掲示された、『AKIRA アキラ(1988)』上映当時の午前十時の映画祭16案内ポスター。

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