大つけ麺博も残すところあと4日。とは言い条、今週はちょっとハイペースで通ったせいで、体力をけっこう消耗してしまった。さすがにもういいかな……と思いながらも、今日だけはどうしても外せなかった。
なにせ今日は、出店は1日限り、つけ麺の名店・六厘舎と家系の雄・王道家のコラボメニューが登場するのです。
大つけ麺博の公式Twitterアカウントが両者のメニュー開発の様子を随時ツイート、数日前までの苦闘ぶりを追っていたせいで、なんだかここだけは見過ごしてはいけない気がして、はなから長い行列待ちを覚悟で出かけてきました。
天気は晴れ。私が普段バイクで新宿に向かうときに使うルートが空いているのは解っている。それも勘案した上で家を出て、10時ちょっと過ぎには現地入り。駐車場も、開場からは近いけれど無料枠のないところを、いつもより料金を支払うつもりで利用しました。
大久保公園に着くと、本来の開場時間まで1時間近くあるはずなのに、既に公園をぐるりと1周するまでに列が伸びている。全員ではないにせよ、この中の大勢が同じメニュー目当てだろうな、と想像し、改めて気合いを入れ直す。
既報の通り、混雑に配慮して予定より早く開場、じわじわと列が進み始める。検温消毒のエリア手前で一定の人数ごとに区切り、段階的に客を目当ての店の列に着かせるかたちで、場内の混雑を緩和しているようです。休日に、特定のお店目当てで早めに入る、なんてことをするのが今回初めてだったので、このオペレーションにはちょっと感心してしまった。
本日が入れ換え日である隣のブースの待機列枠と、平日は立食スペースとなっているテントが既に列で埋まっている。書き物などして待ち続け、最終的に私がお目当てのメニューを手にしたのは、12時を過ぎてました――本当に、合計2時間費やしてしまった。
やっとの思いで入手した今日の1品は、六厘舎×王道家のづけめん。追加トッピングは用意すらされてませんでした。1日限定ゆえ、手順が複雑化しかねないトッピングを省略したのは賢明だと思う。実際、並んでいた人数からすると提供は早く、最後はあっという間でした……まあ、私のところで麺を茹でる空白が生じたけど、2分程度待ち時間が延びただけ。2時間待った私にゃどってことはない。
開発の様子しか知らず、つけ麺である、ということ以外、スープはなんなのか、麺の太さはどれか、など情報はほとんどなし。ただ“凶暴なスープ”“乱暴な麺”“普通のつけ麺でも、家系でもない”というコメントのみ。嗜好にまあまあ偏りのある人間なので、自分合うのかどうか、ちょっと不安を抱きつつも、やや縮れた中太麺を手繰り、軽く汁につけて啜る。
……確かに“凶暴”でした。
恐らくベースは王道の豚骨魚介、しかしそれ自体の濃度は低く、近年の主流よりさらっとしている。しかし問題は、上に撒かれた山椒の粉と、小口切りにしたネギです。このふたつが演出する辛味が強い。ラーメンの辛味として主流の辛味である唐辛子や辣油とは違う、痺れと鋭さを伴う辛さが終始攻めてくる。喉が焼けたり咳きこむようなタイプではなく、舌だけを攻撃してくる辛さです。
そして麺も、もちもち感もありますが、それより強い弾力、コシが印象に残る。これに斬れ味のある辛さにまみれたつけ汁を絡めると、確かにインパクト大。
加えて、付け合わせとして添えるのが小さく刻んだ生姜、というのがまた攻めてる。箸休めのつもりでつまむと、また別の辛さが舌を苛むんですから。ただ、山椒+ネギの鋭い辛みと違い、爽やかな辛さなので、不思議とちゃんと口の中がリフレッシュされるのです。
スープの中に浸った、細かく切ったチャーシューにメンマ、海苔でちょこっと安らぎを与えつつも、最後まで味が強烈。飽きる余裕すらなく、なんとなく疲れすら感じつつ麺を完食……いや、普通に並び疲れたのか?
つい数日前まで試行錯誤を繰り返していたというスープ割りは、まさかの“ただのお湯”。他のどんなスープ割りよりも、ただのお湯がこの凶暴なつけ汁には合ったから、という判断らしい。実際、あの凶暴さが程よくマイルドになります。その代わり、補助的な役割だったネギがここで主役になります。なにせたっぷり浮かせてありますから、噛むたびにまだ辛味が来る。最後まで手を緩めない。結果として、つけ汁も飲みきりました。
いつも食べたいか、と問われるとちと首を傾げたくなりますが、イベントで1日限り、という縛りで提供するなら、このくらいインパクトが強くていい。
その後もかなりのスピードで提供を続け、営業終了までに完売したそうです。利益はすべて児童福祉団体に寄付するとのこと。ならばコラボの価値も、わざわざ参加しに行った甲斐もあるというもの。
ちなみに駐車料金は300円になりました……まあ、トッピングに支払った、と思えば、出費としては痛くない。ていうかこのくらいは覚悟の上だったよさすがに。
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