天罰ってあるんだよ。[レンタルDVD鑑賞日記その762]

 今年2月リリースの『呪われた心霊動画XXX_NEO 12』を鑑賞。街中に転々と置かれた奇妙な人形について探った女子高生たちを襲う恐怖《新聞人形》、引っ越したアパートでの異様な体験を検証した動画《霊拓》、月並みな心霊スポット探索が思いがけない背景を炙り出す《第三の男》など、全6篇を収録。
 いま私が最も純粋に楽しんでいるシリーズは今回も快調です。投稿動画だけだと「胡散くせー」で終わってしまいますが、取材で明かされる前提、撮影後の出来事、そして炙り出される秘密がゾワゾワとした恐怖を掻き立てる。そのうえで、複数のエピソードが緩やかな関係性を窺わせるから、1巻通しての怖さがいや増す。依然として私にとっての怪奇ドキュメンタリーの理想型を押さえていて嬉しい限り。
 今回面白いのは《第三の男》の展開です。導入は本当にありがちですし、映像そのものもシチュエーションはやや特異ですがよくあるパターンではある。しかし、取材のプロセスで、映像にもあった違和感が一気に増幅し、トリの《マン・イン・ザ・メイズ》で実を結ぶ。明示はしてませんが、今回も先行するエピソードと緩やかに繋がることで、深い怨念を匂わせている。そしてクライマックス、怖いのも事実ですが、妙にスカッとした気分にもなる……どういうことか、は自分でご確認ください。
 怪奇映像それ自体での怖さ、説得力という点では問題がありますが、怪奇ドキュメンタリーとしては秀逸。むろん初期の傑作ほどではないにせよ、高レベルで安定してます。

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