大つけ麺博2024、4杯目は特濃のどぐろ。

 10月23日、ずぶ濡れになった日、訪れた大つけ麺博のレポートです。
 何せバイクで駆けつけていて、いつ降りが激しくなるか定かではなく、迷っている暇はない。もともと候補に考えていたお店のなかから、特に優先順位の高かったここにすぐ決めてしまいました。……けっきょく、待っている間にだんだん落ちてくる雨粒の量が増えて、焦る意味はあんまりなくなってしまったんですけど。

特濃のどぐろつけ麺 smileの天下無双の特濃のどぐろつけ麺、トッピングはあおさ海苔。

 いただいたのは特濃のどぐろつけ麺 smileの天下無双の特濃のどぐろつけ麺、トッピングにはあおさ海苔を選びました。珍しく味玉ではない。本来私は海苔を食べて生きているので、こっちを優先したいのです。ラーメンのトッピングで出てくる海苔は、合う合わないの差が大きいので、むしろこだわりのない味玉のほうを選びがちなだけです。
 2022年の大つけ麺博で食べて以来2度目です……折角色んな店が集まってるんですから、前にいちども食べたことがないお店にすればいいのに、と自分でも思います。ただ、ここは前回の印象が非常に良く、機会があればもういっかい食べてみたかったのです。
 購入したときは小雨くらいになっていましたが、トレイに軽くラップをかけて保護してくれたので、たぶんお店が意図したとおりの濃度で食べられたはず。
 濃さが窺えるのは、食べようとしたときにはつけ汁にもう膜が張っていたこと。濃いつけ汁は往々にして膜が張るものですが、これはさすがに早い。
 麺はブラウンがかった極太ストレート麺。店頭の写真をよく見たら“まずは塩でお召し上がりください”と書いてあった……気づかずに、何も漬けずにそのまんま啜っちゃったよ。充分に小麦粉の甘みと、焙煎したという仄かな苦みもあって充分に美味しかったんですけど、確かに塩をつける方が味を強めたはず。よく見りゃ良かった。
 そして改めて麺をつけ汁に漬していただく。相変わらず美味しい。塩味が強めですが、それと同時に魚介の風味が口の中に浸透するように広がってくる。これだけ濃厚なのに、ガツンと来る一方で味わいは深い。魚介類の風味とコクが、他の一般的な豚骨魚介とは近いようでちょっと違う余韻を醸しています。
 具材は薄いけれど大きめにスライスしたチャーシューにたぶん大振りの三つ葉、そしてヤングコーン1本をふたつに切って添えている。きちんと火が通った色味だけど肉の風味、ムチムチ感があるチャーシューもいいのですが、このヤングコーンが結構効いている。濃いながらも食べやすいつけ汁とはいえ、何せ濃厚なので、どうしても食べるほどにクドさを感じてしまうのを、ヤングコーンのさっぱりとした風味、サクッという快い歯ごたえが和らげてくれます。つけ麺でもラーメンでも、この位置にはメンマが来ることが多いのですが、このつけ汁にはヤングコーンが合っている。
 トッピングしたあおさ海苔は、風味付けや変化としてときどき麺に絡めて楽しめる。しかし、たぶんこれが一番有効なのは、スープ割りを注いだあと。特別に用意された、鯛と貝で取った出汁は、一般的な鰹節を用いたスープ割りよりまろやかで、つけ汁の角を取って柔らかくする。そこにこのあおさの磯の風味が加わると、幾らでも飲めそうな気がします。お陰様で今回もきっちり飲み干してしまいました。
 ひとつ残念なのは、小雨とは言え雨粒が普通に落ち始めた状況で、ポットに入れた割りスープはともかく、調味料は置いておけなかったのでしょう、ブース前のテーブルに置いてあったゆず七味などが撤去されていたこと。お願いすれば、たぶん使わせてもらえたと思いますが、待っているお客がいるなかでお願いするのも躊躇われ、スープ割りのみで済ませてしまいました。
 あちこちに特徴的な素材や仕込みがあるのに、トータルの味わいは王道で、なおかつコク深いつけ麺という感じ。ちょっと違った方向性なのに、独自に深化した仕上がりになってます。ここもいつか実店舗に行ってみたい……けど、実店舗は1日100杯しか提供しない、というスタンスらしいので、仮に現地に行く機会があるとしても、ちゃんと予定を組まないと難しそう。

 ……書いてみてから、前回食べたときに書いた感想を読み直してみたら、感想ほぼ変わってなかった。こういうお店の常で、味は少しずつブラッシュアップしているのだと思いますが、少なくともコンセプトはブレてないのが解る。そして私の趣味も変わってない。本店に行く機会があったとしても、おんなじ感想書いてそうだなもはや。

特濃のどぐろつけ麺 smileブース入口の商品案内。
特濃のどぐろつけ麺 smileブース入口の商品案内。

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