紛う方なき芦辺拓作品であった。

 昨晩放送された『ルパン三世 Part 6』は、芦辺拓さん脚本によるエピソード『帝都は泥棒の夢を見る』の後篇でした。透析がてら、録画したものを鑑賞。

 どっからどう見ても芦辺拓作品でした。

 特に前編なんか、もう芦辺作品のエッセンスをこれでもかとばかり押し込んでる。帝都に明智小五郎、大陸で発見された宝物に、大阪の“いとさん”。台詞のやり取りまで、芦辺さんの小説読んでるような感覚。本格ミステリというより、幻想系の短篇に、芦辺さんがしばしば手懸ける、冒険小説的要素を含んだいわゆる“探偵もの”のエッセンスを盛り込んでる。
 いちおう終盤に意外な展開はありますが、しかし正統派ミステリ、というより、やはり冒険ものの趣――とりわけ空想科学の要素の絡んだ、ある意味昔ながらのアニメの手触り。
 近年のルパン三世っぽい、という気はしなかったんですが、間違いなく芦辺拓という作家らしいアプローチ。昔から読んできた者としては納得の、そして色々とお腹いっぱいになる仕上がりでした……しかし若いアニメファンがどう感じるのか、はよく解らぬ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました