『心霊マスターテープ -EYE-』を観た。

 きのうは24時間テレビのため、透析中の時間潰しに観ている番組が壊滅していたため、久々にPrime Videoを利用してみた。リリースは知っていたけど観ていなかった、メ~テレ製作のフェイク・ドキュメンタリー・ドラマの新作『心霊マスターテープ -EYE-』を、この日のうちに4話あたりまで鑑賞、きょうのうちにラストまで見届けました。
 怪奇ドキュメンタリーを手懸け、作中に顔出しもするスタッフがメーカーの枠を超えて共演し、1つの謎に挑んでいく、という虚実ない交ぜになった《心霊アベンジャーズ》みたいな発想が楽しくて旧作はお気に入りでしたが、今回は趣をちょっと変えている。《パンデミック》の演出補・徳丸や、《ほん呪》の岩澤&菊池コンビ、更には心霊YouTuberと、実際に活動するスタッフも登場しますが、メインはクレジットに役者の名前が記載された架空の映像監督とその友人たち。フェイクの心霊動画撮影の舞台裏を見せる、という、愛好家としては若干モヤッとする場面から始まりますが、次第に展開は正統派ホラーになっていく。
 メインキャラクターが虚構になっていればこそ、の展開で、緊張感、切迫感は先行する2シリーズより上。だんだん主人公格のふたりに同情できなくなっていく一方で、実在するスタッフがちゃんと真っ当なことを言っているのは当然と捉えるべきか配慮なのか。
 ラストの展開の意味が充分に提示されず、やや消化不良の心地が残りますが、その後味の悪さも本篇の主題には似合っている。こういう作品では美徳とされがちな、常にカメラを構えてすべてを記録する、というスタンスの危うさを貫くような内容は、自身も怪奇ドキュメンタリーを手懸ける本当の監督による自戒の念も籠められているのかも。

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