『海に眠るダイヤモンド 第4話 沈黙』

 鉄平は朝子に対する恋心を自覚し、島内の新聞の編集部で仕事を得た百合子は、幼い頃に抱いた朝子への反発を蘇らせる。精霊流しの時期が迫るなか、百合子の母親が白血病によりこの世を去った。朝子は、百合子の母親の病が、自身の些細な言動に起因していたことをまだ知らない。
 端島、というか長崎を舞台にしている以上、無視できない精霊流しと原爆の絡むエピソード。そこに、家族が敬虔なキリスト教信者だった百合子の複雑な想いが絡んでくる。
 確かに、長崎で苦難に耐え続けてきたクリスチャンにとって、原爆の投下はあまりに理不尽な事態でした。受難を乗り越えて信仰を受け継いできたのに、同じキリスト教徒の落とした原爆で、多くの信者と、健康の象徴である浦上天主堂を失った。辛うじて一命を取り留めたものの、その後も後遺症に苦しんだ母の死が、改めて百合子をあの悲劇、ひいては信仰と向き合わせる。百合子の物語に、長崎という町の背負ったものを凝縮して見せる技が巧みです。
 今回、“信仰”という要素が乗っかってきたからか、さだまさし演じる説教和尚の出番がこれまででいちばん多い回で、ファンとしては嬉しい。しかも、長崎や広島の悲劇、そして日本各地で神社仏閣と関わってきたこの方ならではの含蓄が、ちゃんと役柄と台詞に込められてる。並の人では、この風格は出ません……ファンとしての贔屓目がない、とは言わないが。
 これまで明確に描かれなかった鉄平の家族の過去や、リナの意外な秘密なども明かされ、いよいよ次回あたりに大きな動きがありそうな気配。2018年パートでも、いづみの家族が彼らにとって謎の多い玲央との繋がりを探ろうとしていて、こちらも事態に進展がありそう。

TBSテレビ「日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』」
TBSテレビ 日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』の公式サイトです。毎週日曜よる9時放送。主演は神木隆之介。過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメント。

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