9月2日の映画鑑賞のあとに、御徒町らーめん横町にある麵屋翔を訪れました――ストックしすぎて1ヶ月以上経ってしまった。そのため、現在の状況と異なる可能性があることをご了承ください。これ以降は立ち寄ってないので解らないのですよ。
この日は特に目当てを決めず、空いている店にしよう、とてきとーに考えていたら、映画館に近い方から順番に、ぜんぶ混んでいた。そして、ここに辿り着いてみると何故か、店内に客の姿がひとりしか見えない。前に食べたものはすべて当たりだったので、特に考えもせず暖簾をくぐったのです、が。
メニューが、前に来たときと、違う。
以前は“香彩鶏だし”と冠したメニューしかなかったのに、よくよく見たらこのとき、軍鶏を出汁にしたものしか提供してない。動揺しながらも、まあ軍鶏なら普通に美味しいはずだし、前に食べたメニューのクオリティを考慮すれば、品揃えが変わってもハズレではないだろう、と信じて、食券を購入。
注文したのは、軍鶏味玉塩ラーメン。価格設定が従来より高め、そして私は当日、透析を休む予定なので、あんまりボリュームがあっても困る。“特製”と銘打った、具だくさんのメニューは避けました……ふだんからあんまし頼まないんですけどね。
思った通り、味そのもののクオリティは高い。旨味は豊かだけど、丁寧に出汁を取っているのでしょう、クセはなくスッキリしている。塩の風味も、食べ続けていて邪魔になることなく、最後まで適度なバランスを保っている。
麺は中細のストレート。スープ同様に優しい、しかし絶妙のゆで加減で歯応えも損なっていない。個人的な好みではもっとモチモチのほうがいいんですが、このスープには合っている。
チャーシューは2枚。片方は脂もある一方、外側を炙っているようで、少し強めの香ばしさがある。正直、やや固めには感じましたが、クセの少ないスープと麺のなかでいい個性を醸してます。もう1枚はたぶん鶏胸肉と思われます。こちらは脂もないので、箸休め的に食べやすい。この、性質の違うチャーシューを2枚、というのもよく考えられてます。前者のみだとクドい、後者だけだとちと物足りない。あとで店舗の公式サイトを確認すると、“特製”ではそれぞれ2枚ずつになるようです。やっぱりちゃんとバランスに配慮してる。
味玉はほんのりと味がついてますが、これもラーメンそのものを邪魔せず、スープにもよく馴染む。黄身がトロトロすぎて、本体のスープに混ぜたくないひとにはちと厄介ですが、たぶん溶かしたら溶かしたでまた味わいが変わりそう。
次の透析までまる1日以上あるので、さすがにスープをぜんぶ飲むのはやめましたが、実施する日だったらたぶんぜんぶ飲んでいた。急にメニューが変わってたまげましたが、やっぱりここは名店だと思う。もうちょっと胃袋に余裕が出来てきたら、特製にもチャレンジしてみたい。
帰宅後、メニューを変えた事情がわかるかな? と思い公式サイトを確認してみたものの、特に情報なし。ただ、《お品書き》の項を辿ると、この軍鶏出汁のメニューは西新宿本店で出しているように読める。
もしかしたら期間限定でメニューを入れ換えているのかも知れません。或いは、店舗ごとにメニューを変える方針に切り替えていて、公式サイトでは情報を出し遅れているのか……どっちにしても、せっかく公式サイトがあるんだから、背景や意図に触れなくてもいいから、メニュー変わりましたよ、というアナウンスぐらいは出して欲しいです。この日、訪れたときに客がひとりしかいなかったのは、このせいなんじゃなかろうか。
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