こんにちはマリちゃん。

 昨日、遂に我が家に、新しい猫さんがやって来ました。

 実のところ、なんで預かることになったかと言えば、元々の飼い主だった女性に認知症が現れ、老人ホームへ移住しなければならなくなった。
 当初は、飼い猫も一緒に居住出来る老人ホームに入ることを考えていたモノの、飼っていた猫は3匹。この数を一緒に引き受けてくれる施設は見つからない可能性が高かったため、最低でも1匹は引き受けてくれる家が必要になった。この飼い猫のうち1匹は、まだ我が家に猫が2匹いた時分、捨てられていた猫を、母が方々に声をかけて引き取り手を当たった結果、引き取られていったものでした。だから、もともと縁のあるこの子だけは必ず引き取る、という話になったのです。
 しかし結局、猫と一緒に移住出来るホームがだいぶ遠くになってしまう、ということで、3匹とも引き取り手が必要になってしまい、そのあたりで、ひとまずうちで全員預かる、という話に発展しました。なにせ、仲介してくれる方が確保して連れてくるのも、タイミングを見計らわねばならず、そのあいだに別の引き取り手が見つかったら、そちらに預ける、ということになっていた。
 そうこうしているうちに先月、飼い主さんが亡くなりました。
 どうやら別の病気も患っていたらしい。折を見て随時、仲介してくださる方が猫を順次確保してつれてきてもらう手はずになっていましたが、住んでいた部屋を早いうちに明け渡さす必要も出てきて、遂に最初の子の来訪となったわけです。

 まず連れてこられたのはマリちゃん。何故この子からやって来たのかというと――いちばん気性が荒いから。
 1匹は初見の人の前でもお腹を晒す無警戒な子で、もう1匹は押入からほとんど出てこない臆病な子。気性の荒いマリちゃんが慣れてくれればあとはそんなに手こずらず慣れるのでは、という判断で、連れてこられたのです。
 いざ対面してみたら、本当に気性が荒い。あちこち暴れ回ったり、どこかに潜り込んで見つからなくなった困るので、先にお預かりしたケージに入ってもらってますが、覗き込むと唸り、シャーシャー威嚇してくる。こんなに威嚇されたの久しぶりです。
 ケージは転がって寝ることも厳しいサイズですし、餌やお水の容器は何とかなるけれど、トイレまでは入らないので、本当は閉じ込めておきたくない。けれど、ひとまず家の空気と、私と母の存在に慣れてもらうため、ちょっとケージの中で我慢してもらうことにしました。
 ただ、もの凄く気は強いようだけど、怯えている気配はない。目が青くなっていないのです。しばらく構わず、普通に生活していると、特に動じる気配もなく、箱座りしたり、うつらうつらしています。
 きのうの15時くらいにやって来て、その後私たちは夕食を摂り、20時から私は透析を始めている。隣の部屋にあるケージを遠くから覗き込んで名前を呼んでみると、とりあえず怯えた様子はなく見上げてきます。
 けっきょく、怯えてはいないようだけど警戒は解いていない、瞬時で着火する危険もあるので、申し訳ないけれど昨晩はケージの中で過ごしてもらいました。ケージの中にはペットシートを敷いたうえで、水と餌も用意はしてあるので、とりあえずは何とかなる……はず。

 深夜、作業をしながら猫の気配に注意し、とりあえず鳴いている様子も暴れている様子もない、というのを確認しつつ、一夜が明けました。
 さすがに家の空気に離れただろうし、拘束する気がないことを解ってもらうため、ケージの扉は開けっぱなしにすることに。
  しかし、出てきません。ケージの扉とは反対側の端で箱座りしたり気を抜いている様子は見せても、こっちからケージに顔を近づけるとまたウーとかシャーとか始まってしまう。朝食を摂ったりしたあと、私も母も2階に引っ込んで、マリちゃんは放っておくことに。
 11時半を過ぎた現時点で、まだケージの中から出てきていない模様。作業の手を止めて覗きに行っても、ケージの中で箱座りして、まん丸にした目で人のことを見ている。
 が、お昼を食べているとき、突然状況が変わりました。
 いつの間にか、ケージから出てきている。
 食事をしつつ、少し探索してもらおう、と固唾を呑んで様子を見守っていたら、意外にもすぐ食卓のほうに近寄ってきたかと思うと、私の脚に身体を押しつけるように移動していった。
 まさかの2日目で心を許してくれたか、と手を伸ばし、撫でてみたところ、背中のあたりは大丈夫だったけど、顔に手が近づいたらまたぞろ“シャー”が来た。
 どうやら、様子を見る程度には慣れてきたけれど、気を許してはいないらしい。急に飛びかかられると大変なので、食事中はしたいようにさせておいた。
 その後、ケージの中を調べたところ、心配していた排泄はしていたことが判明。ケージを出てきて少ししたくらいに、猫用トイレを利用する姿も確認出来ました。餌をしっかり食べているか、はまだよく解りませんが、トイレが出来ているなら、生活はそんなに心配しなくて良さそうです。
 仮眠を取ったあと、もういちど様子を見に行くと、姿が見えない。探した結果、荷物などで手の届きにくいところに潜んで、それなりにくつろいでいるらしい。
 人には慣れていませんが、どうやらこの家にいることは(渋々ではあるでしょうが)受け入れてくれた、と思われます。出来れば私たちにも慣れて、撫でさせてもらえると嬉しいのですが、何日くらいかかることやら。

 写真は2、3枚アップ出来れば良かったのですが、そんな感じなので、所在を確認するため暗がりを高感度で撮影して、居場所は解るけどブレたものくらいしかないので、到着して少し経ったくらいに撮ったこの1枚だけ。

箱座りしつつ、人が近づくとシャーシャー言ってるマリちゃん。
箱座りしつつ、人が近づくとシャーシャー言ってるマリちゃん。

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