今月は本当にバタバタが窮まっていて映画鑑賞どころではなくなってます――そのわりに感想の宿題はちょこちょこ消化してますが、あちらは本篇を再鑑賞する方法があれば、あとは少しずつでも書き進められるものだし。
しかし、そろそろ鬱屈してきました。いったん気持ちを落ち着けるために、本日は映画鑑賞です。
電車にて訪れたのはTOHOシネマズ日本橋。鑑賞したのは、ネット発のホラーコメディの実写映画化、気づけばいるはずのないものが見えるようになっていた女子高生が、それにつきまとわれないよう全力で無視しつつ、周囲のピンチに立ち向かう『見える子ちゃん(2025)』(KADOKAWA配給)。
原作コミックは最初の単行本が刊行される前後ぐらいから読んでいて、初期はけっこう好きだったのですが、霊能力者が出てくるようになったあたりからしっくり来なくなって、ここ何巻かはまだ購入してません――たぶんそのうち買うと思いますが、優先順位は落ちてしまった。
なので、実写映画化、と聞いても最初は「へー」くらいの気持ちでしたが、監督が中村義洋だ、と聞いて風向きが変わりました。しかも、どうやら仕掛けがあるらしい、みたいな宣伝の仕方に期待が膨らんで、公開翌日に舞台挨拶の全国中継上映がある、と聞いて、折角ならばここで観よう、というつもりになったわけです……当初は、使うタイミングが解らなかった、シネマイレージのポイントで鑑賞するつもりだったんですけど、イベント上映ゆえポイントは使えず。
舞台挨拶前に、まずは本篇。
……期待してた以上に、面白かった。
“仕掛けがある”云々というフレーズを宣伝で聞いた時点で薄々察するところはあったし、こちとら色々と通ってきてるので、ある程度は察してましたし、その通りではあったんですが、それを上回ってきた。不覚にも、やられた、と思いました。しかも確かに仰言るとおり。
一方で、全体としてのバランスが絶妙によく整ってる。こういう設定ならではのホラー描写は、さすがに第一人者だけあって安定しているし、だからこそ怖さもありつつ、この設定だからこそのユーモアもある。かなり脚色は施していますが、原作にある設定をある程度維持して、キャラクターの魅力、面白さに、ちゃんとドラマも添えている。原作以上にはなが大変そうだけど。
しかし恐らくこの映画、二度目こそいちばん面白いかも知れません。私はなにせひねくれているので、ある程度目星をつけて、ああなるほどそう来たか、ここはさすがの見せ方、なんて頷いてましたが、それでも気づかなかった部分については、もういっかい観て確認したくなってるもの。
そこまでは期待してなかったんですが、意外とこれは、中村義洋監督の新たな代表作と言っていいかも知れません。これまで培った技術を用いて、また新しい面白さを形にしている。なお、エンドロールに入っても席は立たないように。某人物のファンは特に。
本篇のあとは、六本木にて実施されている舞台挨拶のライブビューイング。司会は伊藤さとり、登壇者は四谷みこ役の原菜乃華、百合川ハナ役の久間田琳加、二暮堂ユリア役のなえなの、遠野善役の京本大我、権藤昭生役の山下幸輝、そして監督の中村義洋。
しかしこの舞台挨拶がまたちょっと風変わりでした。なにせ、観客はみんな本篇を観たあとなので、本来はネタばらしありで喋るのですが、取材も入っていて、内容は報じられてしまう。そのため、予め原菜乃華ら出演者はそれぞれの語りたい見せ場をフリップとして掲げて、その話がネタばらしになっていたら、話の途中で監督が手に持ったブザーを鳴らす、というもの。観ている人間は、確かにそこはマズい、というところでしっかり鳴らすかと思えば、そこまで敏感にならなくても、という部分で監督がブザーを鳴らしたりするので、不思議な可笑しさがありました。特に約1名は気の毒でした。
そのうえ、登壇者は司会含め6名のはずなのに、なんかいる。映画と同じように、触れたいけど触触れちゃ駄目、というお約束になっていて、妙な緊張感が漂っているのがまた面白い。
私もあんまり詳しく触れにくいのが歯がゆいですが、イベントとしては非常に面白かった。ポイント鑑賞出来ず有料で鑑賞しましたが、悔いはない。
午前中に映画を観たあとは近場で食事をして帰るのが常ですが、今日は、いつも行くところが使えない。
日本橋ふくしま館のイートインはラーメンではなく豚丼……食べたことがないので、好みに合うかはまだ解ってないのですが、折角久々の外食なのだから、ラーメンか、せめて麺類にしたい。コレド室町すぐ近くの神田らぁめん悠は、4月以降営業時間を短縮していて、土・日は定休に当てられている。
いっそテイクアウトでもしようかな、と思いましたが、最終的に、ちょっと足を伸ばして、地下鉄の淡路町駅方面へ。訪れたのはつじ田 味噌の章――以前、自転車で映画鑑賞に出かけていた頃は、しばしば立ち寄っていたお店です。電車メインになったことと、コロナ禍でつじ田のつけ麺がテイクアウト出来るようになったことで、あちらばかり利用するようになっていたため、だいぶご無沙汰しておりました。どーせ寄るところがないなら、と、軽い運動がてら歩きました……夏日にやるようなことではなかったが。
以前、ここでは味玉入り辛味噌らーめんをよく注文していましたが、今日は……やっぱり味玉辛味噌になってしまった。習慣というものは恐ろしい。ただその代わり、食事を済ませて、秋葉原駅まで歩いていく道程は、心持ち涼しかった。中の方があったまってるから。
久々に食べましたが、やっぱり美味しい。日本橋に来る機会は基本多めなので、たまにはここに来るために、観に来る映画を調整してもいいかも知れません。
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