血を呼ぶ宿命の二人。

 11月に入ってから毎日映画観てます……別にそうするつもりだった訳ではなく、昨日の『生きる LIVING』ははじめから決まっていましたし、一昨日の『ディア・ハンター』は通常のローテーションなら先週観ているはずが、作業の都合でズレ込んでここが最適になった。そして今日は……実のところ、これこそ今日である必然性はなかったんですけどね。ただ、公開スケジュールと、私自身の予定や移動時間なんかを考慮すると、ここがいちばんよかったのも本当です。説明が伝わりづらいだけで。
 というわけで、今日も朝からバイクを出す。やっぱり、私が使っているルートは、祝日休日が空いている。新宿付近で、消防車やパトカーが連なっていて一部詰まっていましたが、映画館には問題なく間に合いました。
 火曜日と同じくTOHOシネマズ新宿にて鑑賞したのは、『ファイブスター物語』の永野護がその世界観を土台に自ら監督、7年を費やして完成させたSFアニメーション、星の記憶を受け継ぐ巫女と、彼女を守る任を帯びた皇太子の物語花の詩女 ゴティックメード(Dolby ATMOS)』(角川書店 Newtype配給)。初公開からちょうど10周年を迎えてのリヴァイヴァル上映です。
 おーむかしに『Newtype』を読んでいたので、『ファイブスター物語』は知っている。ただし、なにせ長期連載、しかも込み入ったSFゆえ、ほとんど内容を把握してません。なのでこの映画も当初は意識してなかったのですが、監督の意向で映像ソフトのリリースなし、それゆえにドリパスなどで繰り返し企画上映が実施され、そのたび盛況になっているようなので、だんだん気になってきたのです。今回は劇場、期間を限定しつつも通常に近いかたちで上映するので、この機会に、と鑑賞することにしました。
 如何せん、ベースとしている世界観が込み入っているので、説明主体の導入がちょっと鬱陶しく思えるのですが、しかしストーリーの本質と主題はとてもシンプルで解り易い。どちらも先代から受け継いだ知識と才能があり、その存在そのものがしばしば流血をもたらす。当初は対立していたものの、お互いの宿命を知り、次第に共鳴していく。キャラクターの作りは現代的ですが、神話のような趣すらある物語です。
 そしてその過程を、、まさに永野護そのものの美意識による映像と音楽で彩っている。旅先の随所で種を播くベリン、トリハロンが操るロボット=《ゴティックメード》の圧倒的美しさ。恐らくは永野護監督の愛するものを、最良のかたちでアニメにしている。
 物語としては決して特徴的なわけではない。ただ、永野護というクリエイターの美学と魅力が凝縮された、愛すべき作品だと思います。何度も再上映されるのも頷ける。

 ちなみのこの作品、おとといの時点でもう公開が始まっており、記事を追加した2022年版パンフレットも販売されていた。基本、観たその日に記念として買うのが私のポリシーですが、なんとな~くイヤな予感がして、おとといの帰りに買っておいた。
 案の定、きょうの来場時点で売り切れていた。
 再入荷は未定、というアナウンスがありましたが、上映しているあいだに届いたらしく、帰りには販売を再開していました、が、売店は長蛇の列。このあとも大つけ麺博で並ぶ予定だったので、おととい買っておいて大正解だったようです。

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