女に弱い勘定奉行と、金にうるさい渡世人のふたり旅。[レンタルDVD鑑賞日記その734]

 透析中、観る番組がなくなった時間帯を使って、月額レンタルで届いた映画を鑑賞してました。今回の作品は久しぶりの市川雷蔵の映画。タイトルも内容も一貫してないけどいちおう《濡れ髪》シリーズ第4作と呼ばれる、うだつの上がらない侍と要領のいいヤクザが成り行きで旅路を共にする『濡れ髪喧嘩旅』(大映初公開時配給)
 良くも悪くも大味な娯楽時代劇。筋が通っているとか時代考証とかほとんど無視して、とにかくその場その場が楽しくなることを考えて作られてる感じ。雷蔵の格好いい立ち回りに、相棒となる川崎敬三との軽妙なやり取り、随所で展開するドタバタに、色恋と人情噺もある。ごった煮すぎて整理はついてませんが、観ているあいだは確かに楽しい。
 なにせいちばん驚いたのは、スリー・キャッツが普通に歌ってるくだりです。ハーモニーまで取ってるのでどう聴いてもこの時代の歌じゃない、それでビックリしてたら次のシーンで臆面もなく『黄色いさくらんぼ』を歌ってる。まあ、調べてみるとこのグループの最盛期だったみたいですし、人気者同士を組み合わせるのも手法としては珍しくはない。
 これで《濡れ髪》シリーズは残すところ『濡れ髪牡丹』のみ……しかしこの5作品、シリーズと呼ばれてはいますが、内容に関連性はない。無理に観る必要はないですし、そもそもどうせ雷蔵を観るなら『炎上』や《眠狂四郎》シリーズを選ぶべきという気もする。でもたぶん、月額レンタルのリストには放り込んであるはずなので、きっとまた忘れた頃に観るのでしょう。

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