ほんとうの“呪いのビデオ”と化しつつある。[レンタルDVD鑑賞日記その750]

 昨年7月リリースの『呪われた心霊動画XXX NEO_10』を鑑賞。レンタルルームでシリーズ8巻を鑑賞していた投稿者たちを怪異が襲う“XXXを観る会”、交通事故に遭った男性が残した証言と謎の映像を巡るエピソード“前世”、旅人たちが迷い込むという幻の家を実際に発見したという異様な話“迷い家の跡”など、全6篇を収録。
 相変わらずこのシリーズは安心して観られる。怪異の映像そのものは不自然さがあっても、エピソード全体での怖さが生々しい。
 こと、今回は多くのエピソードが繋がっていて、1巻で長篇を観ているような趣がある。お陰で充実感が素晴らしい。結局のところ何が起きたのか、を説明は出来てませんが、だからこそ余計に怖い。あっさり因果が読み解けてしまう方が不自然でしょ?
 シリーズを鑑賞している姿を記録した映像から始まる、という入れ子細工めいた趣向も憎い。期せずして、このシリーズが採り上げてしまった呪詛が、頒布によって拡大しており、それがもはや視聴者にも迫っているかのような。まさに“呪いのビデオ”に触れているかのような感覚。
 作りには信頼を置いてますし、実際、今回も非常に楽しんだのですが、4本目“町内放送”終盤はさすがにやりすぎだと思う。あれを4分以上見せられるのはこのシリーズが好きでもなかなかの苦行です。しかも、説明を聞けば解りますが、実際には何が見えるか不明なんだもん。さすがにこれはちょっと悪質。巧いとは思うが。
 本巻に登場したモチーフの幾つかは、過去作品にも登場したものなので、話はもっと膨らみそうな予感。いよいよフィクションっぽさは強まってますが、面白いから問題なし。

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