安定はしてるんだけどね。[レンタルDVD鑑賞日記その749]

 昨年1月リリースの『心霊闇動画49』を鑑賞。恋人が料理をしている姿を撮っている際に起きた怪異“オムライス”、イベント会社の衣装保管室で起きた事件の犯人を探るために設置した監視カメラが意外なものを捉える“衣装ルーム”、特殊メイクアーティストへのインタビューが恐怖のひと幕を記録した“取材”など、全6篇を収録。
 もはや追いつかなくなるくらいにコンスタントにリリースしている精力は高く評価する。でも、本数が多い分、1篇1篇の質が粗くなっているのも動かしがたい事実。とにかく、映像がことごとく合成っぽく、シチュエーションも凡庸であるのが残念。特に“イチゴ狩り”なんか映り込みも凡庸すぎて、「だからなんなの」と思ってしまう。変なひねりもないので、怪奇映像としての違和感は少ないんだけど。
 ちょっとだけ「おっ?」となるのは巻末の“取材”。いきなり不気味な特殊メイクを制作している様子から始まり、この取材映像らしきものに怪奇現象が映り込んでいる、と仄めかされると、否応なしに期待が高まる。
 ……がしかし、肝心の怪奇映像は、悪い意味で期待を裏切ってきます。その後の展開はちょっと興味深いけど、怪奇現象の怖さを強めるものではないし、かといって肝心の映像も面白みに欠ける。率直に言えば、こんなにためて見せるもんじゃない。
 質はともかく、不意に映り込む怪異、というのを最初はアハ体験的に、そして次の瞬間からは雑な部分にツッコミを入れて楽しめるひとなら、とても安定感のある1本。ほんとうに怖いものが欲しいなら、他のシリーズのほうがいいと思う。

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