7月15日に、2024年4月リリースの『心霊闇動画88』を鑑賞。生け簀でのつかみ取り体験をしているときのホームビデオに不可解なものが映り込んだ《魚を捕まえる》、以前にも採用された投稿者が新たに手に入れた怪映像《貝殻拾い》、結婚前で多忙な投稿者に、弟妹が家族旅行の様子を報告するために撮影した映像に奇妙な現象が記録される《結婚前の家族旅行》など、全6篇を収録。
このところ『心霊曼邪羅』、『心霊盂蘭盆』を交互に鑑賞していたので、なんだか久しぶりな気分。このシリーズも相変わらずハイペースで巻を重ねているので、たまには観なきゃね。
……と借りたはいいものの、思ってた以上に、物足りない。
最初は新鮮だった『心霊蔓邪羅』も、巻数を重ねるごとにパターン化が始まっていたので、まあこれはシリーズものの宿命だろうな、と割り切りつつあったのですが、それを差し引いても、このシリーズの仕上がりはどうも安易。映り込んでいるものが似たり寄ったりなのは仕方ないにしても、シチュエーションと、取材で浮かび上がる背景との繋がりはもうちょっと何とかならんものか。特に、《魚を捕まえる》と《これからランチです》は場所こそ違えど、映り込む怪異も、インタビューで説明される背景と後日談も似たり寄ったり。たくさん投稿があればそういうこともあるだろう、とは思うけれど、リリースのペースも速いんだから、片方を次の巻以降に送るとかしてバランスを取れよ。並べておくメリットも、観たところなさそうだし。
しかも、映像の内容ではなく、シチュエーションに限って言えば、冒頭から5篇立て続けに、撮影者が子供と遊びに出かけている、いわゆるホームビデオに該当するものです。確かに、子供が小さいときほどたくさんカメラを向けているので、多くなるのは道理、とも言えるんですけど、繰り返すが巻を散らせよ。せめてもうちょっとばらけさせようよう。
唯一、趣が違うのは《結婚前の家族旅行》です。家族でのレジャー、という、より大きな括りで捉えれば、これもやっぱり他のと一緒、と言えるのですが、撮影の動機、内容、そして怪異の背景も他のものとは違う。正直、その一点だけでまあまあ見応えを感じてしまいます。怪異の登場の仕方は相変わらずチープだし、インタビューで何もかも説明しようとする軽薄さにはあんまし頷けないんだけど。
依然としてそのスピード感には敬意を払っているのですが、なんとなく、いよいよそのペースに自分で追い込まれている印象。本当に、そろそろ、間隔を広げていいころではないのんか。
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