そんなに都合よく録画は止まらんだろ。[レンタルDVD鑑賞日記その953]

心霊闇動画99(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 7月11日に、2025年5月リリースの『心霊闇動画99』を鑑賞。投稿者の彼氏がかつて奇妙な体験をした母校を久々に訪ねた際に撮影した奇怪な映像《思い出の小学校》、会社の忘年会でお披露目する余興の練習を記録していたとき、あり得ないものが映りこんでしまう《忘年会の出し物》、投稿者の妹が婚約者との旅行中、あり得ない場所から聞こえてくる女の泣き声に恐怖して撮影した一部始終《旅館の夜》など、全6篇を収録。
 遂に次の巻で3桁突入です。月イチのハイペースだからこそのスピード感ですが、ここまで続けたことは賞賛しておきたい。
 ただ、怪奇ドキュメンタリーとしてのクオリティは、まっっっっっった上がっていない。
 怪奇映像そのものが基本的に人影、人の姿の一部が不自然な場所に映りこむ、という代物で、不気味さよりも先に「簡単に作れるよね……?」という映像ばかりなのも問題なんですが、それを取材で膨らませたエピソードの、膨らませ方が概ね、映像とあんまり関係あるように聞こえない、関係のある代物のように思えない、というのが問題。
《思い出の小学校》は、インタビューで出てきたエピソードだけなら怪談としてちょっと興味を惹かれます――内容が足りず追求も浅くて“怪談未満”の出来ではあるけれど――が、それとあの映りこんだものの関係性が窺えない。在校中に出会った、いるはずのない人物の思い出と絡めるなら、撮影された場所とエピソードが一致する、とかもうちょっと絞り込んでほしい。というか、映像が作り物である、という前提に立ったら、そもそも映っているものが、撮影者がかつて目撃した謎の人物に似てる、くらいの補強がないと、観ている方は繋がりを感じられんぞ。
《忘年会の出し物》も、インタビューで語られるエピソードはちょっと怖いけれど、肝心の怪奇映像があまりにも有り体すぎて詰まらない。何より、ここで都合よく録画を停止する、という成り行きがどーしても理解不能です。こんなものを見たら、出所がどこなのかまで撮影しませんか。あれじゃ普通に、被写体の後ろに人がいて、というシンプルすぎるトリックの疑いが拭えないでわないか。
《旅館の夜》は映像自体がしっかり怖い、という点でこのシリーズではむしろ変わり種ですが、その展開が不自然で安易、というのは相変わらず。この状況なら、部屋の中でじたばたする以前に、外に出るなり内戦を使うなりして、宿の人物に相談しようとしないだろうか。彼氏を起こす、奇妙な声のする押入を開ける、という2択しかないのは何故なのだ。
 そのあと、シンプルに怖い出来事が起きますが、やっぱり「なんでそこで録画が止まる?!」と激しめにツッコみたくなります。止まっているのも怪奇現象の一部ですか? さすがに虫がよくないですか? 『ほん呪』ではこうやって放置されたカメラがその後に記録した映像や音声も出てきたりしますよ?
 そしてもうひとつ、どーしても気になるのは、こういう取材パート付き……というか、このシリーズはインタビューしか付け足さないんですが、その取材対象が、映像を見れば解ることをわざわざもういっかい説明する無駄さです。この辺をカットして、別の取材映像とか、裏付けをしていけば、もっとリアリティも怖さも際立つのではなかろうか。
 インタビューパートもない映像のみのエピソードは更に安易で、《ラーメン屋》など、正直、怪異が現れた瞬間に噴き出してしまいました……いやもう、もうちょっとひねった出方をしてください、お願いだから。あれ、紙に書いた幽霊っぽい絵を横から突き出してるのと大差ないぞ。
 このシリーズ、その後も順調に巻を重ね、今月頭には114巻をリリースしてます。とりあえずレンタルで鑑賞し続けますけど、もう成長は見込めないかなあ……たまーにヒットになりそうなときがあるので、ちょこっとだけ奇蹟に期待してるけど、無駄かなぁ……。

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