一昨日の映画鑑賞のあと、本題であるタイタンシネマライブです今回は袖側の席じゃないけど、それでも列の左端。行動はしやすい、けど早く着席してしまうと、あとから人がやたらと透のが困ります。
劇場限定の映像は、キュウ単独公演のお知らせ。前回のエンディングトークでシネマライブでは初めてお披露目した、ぴろの謎のお約束も盛り込んでありました。ときどきどこかでやらなきゃ定着しないからね。
本篇のトップバッターは、タイタン若手からの初参加ザ・カンボジーヤ。エンディングトークによれば、名付け親はDJ KOOらしい。ネタの方は、日本語には笑顔が少ない、という謎の批判からリズミカルなやり取りに展開するもの。大前提がどーしても腑に落ちなかったため、私は最初乗れませんでしたが、テンポとか、同じ動きでボケとツッコミが反転するような構造は面白かった。次に期待。
2番手はピン芸人の鎌。やたらとシンプルな衣裳で現れたな、と思ったら、それも含めてちゃんとネタの一部という。ニュースでときどき聞く4文字の背景でどんなことが起きてるか、というネタですが、明らかな過剰っぷりが面白い。
3番手はこちらも初登場のトリオ、ウキビシャ大作戦。登場人物のひとりが大声で自分の設定と状況を説明するところから始まる、だいぶ古典的な作りでちょっと心配になりましたが、展開が伏線を仕込みつつも小気味よいので、綺麗に落ちた感じになってます。道化回しの強面に似合わないポンコツキャラや、やたら女装ハマってるメンバーもいて、こちらも成長に期待。
続いてはいつになく登場の早い脳みそ夫。今回は焼肉OL焦田かるびだそうです。いつも通り、テーマを決めた駄洒落で紡がれる安っぽいドラマが展開します。ただ今回、ネタよりも、衣裳のパーツが外れて落ちたのを、ネタの流れで部品を回収するテクだがこなれていて、そういやこの人、もうまあまあベテランなんだな、とちょっと感心してしまいました、失礼ながら。
5番手はキュウです。あいかわらずのとち狂った言語実験みたいなネタです。ネタの中では、ぴろの無茶なボケにちゃんと乗る清水に頭が下がる感じですが、しかし冷静に見ると、無茶苦茶稽古が必要な、どっちも大変なネタです。1個間違えたらアドリブで調整するのも難しいだろうし。基本的にこのふたりのネタは大好きですが、そういう悪趣味な見方もちょっとしている。
お次は春とヒコーキ。街中にある巨大広告の前でありがちな状況を静かに演じている、かと思いきや途中から急にターンがかかり加速する。土岡の演じるキャラが明らかに変な人なんだけど、フィクションで見るこういうシチュエーションの違和感、疑問を巧く日常に組み込んでいる。オチが若干弱い気がしたけど、まあそこはそれ。
7番手はまんじゅう大帝国。今回は竹内が、カウンターのある寿司屋に食べに行く、という提案をしたところから始まる、おおむねシチュエーションコント風の漫才。ずっとあり得ない行動が最終的に「そりゃそうだ」というところにストンと嵌まる、ふざけてるけど巧妙な作り。もともと学生落語をやっていたふたりということもあってか、最近だんだん、漫才という形をとった新作落語っぽくなっている気はする。
8番目でようやくゲストのひと組目、サツマカワRPGです。他のピン芸人たちと組んだコントは何度か見たことがありますが、ピンのネタをじっくり見るのは初めて……しかし、こんなにイカれたネタだと思わなんだ。たぶんこのネタ、舞台でしか使えないし、使ったところで色んな人に迷惑をかけるので、ある意味とてもシネマライブ向きではある。余った時間をショートコントをたたみかけて埋める、というのも久しぶり。
9番手はシティホテル3号室。ある理由で、観客の多くは冷静に眺めてられないコンビですが、このところ賞レースでも一定の結果を出しているだけあって、ネタの質は高く安定している。ファンタジーものではよくある設定の“穴”を突いた展開が楽しい。実際、あの成り行きならそういうこともあるよね。
ふた組目のゲストは宮下草薙。結婚する気はないのか、と聞かれるから、結婚の権利を運転免許みたいに返上したい、という如何にも草薙らしい提案からのシミュレーションを展開する漫才。自虐的で異様な発想だけど、妙に筋の通った決着が笑えます。
3組目のゲストはキングオブコント優勝コンビ空気階段。学校新聞の部員と間もなく卒業する先輩のやり取り、という図式ですが、このコンビらしいやたらと際立った個性で笑わせつつ、構成もしっかりしている。ものすごーくおバカな学生の純朴さが、おかしくもちょっと微笑ましい、独自のトーン。エンディングトークで太田さんが指摘したところによるとこのネタは最新のライブで披露したネタのひとつで、最終的に繋がっていく趣向になっていたらしい。てことは、このネタの登場人物がどうなったか、というネタもあったんだろうか。にわかに気になる。
ここでタイタン若頭、ウエストランドです。漫才では王道の、ボケがやってみたいことを提案する、という漫才お馴染みのフォーマットを現実的にイジり倒し拒絶していく。その挙句の展開は、このコンビならではの本領発揮です。間違いなく井口のキレツッコミで成立しているコンビですが、河本のポンコツっぷりも大事な要素ではあるんだよな。
大トリ前はゲストという名のレギュラー、BOOMER&プリンプリン。今回のネタは何故か突然『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。劇団四季がミュージカルを上演しはじめたので採り上げたらしい。うな加藤がマーティの衣裳で登場するんですが、どう見てもビフな時点である意味ぐだぐだです。しかも河田がねじ込んだらしいボケが完全にテンポを狂わせちゃったし。そのグダグダ感を楽しむしかない。
大トリはいつも通りに爆笑問題……直前にBOOMER&プリンプリンがいる限り、太田さんの最初のひと言は直前のネタに対する苦言にならざるを得ない。まずはこのところず~っと世間を悩ませる米騒動からトランプ大統領とイーロン・マスクの罵り合い、『新幹線大爆破(2025)』のヒットから往年のパニック映画の話、そこから『VIVANT』の続篇、そして終盤は永野芽郁と田中圭の不倫騒動、と展開。一部、テレビでは不可能なひっどいボケがありました。
以上で本篇は終了、ここからエンディングトークです。
タイタンメンバーのくだりでどうしても話題の中心になるのは、シティホテル3号室の押田です。何とこいつ、11年も前に結婚、現在は子供もいることを、最近まで相方の亮太にすら話していなかったらしい。その理由が、売れてテレビのドッキリ番組でハニートラップを仕掛けられたとき、「実は結婚している」と言って、裏でモニターしている相方を驚かせたい、というものなんだそうな。先日のラジオ『爆笑問題カーボーイ』で太田さんが採り上げていたので、私含め、知っている観客も多数いたはずですから、そりゃネタの雰囲気がやや微妙になる。
初登場のザ・カンボジーヤはコンビ揃ってフリートークがだいぶぎこちないし、ウキビシャ大作戦はそれに比べれば舌は回るがなんか要らない嘘が混ざって話を掻き回す。メンバーそれぞれに宣伝を持ってきてたのに、この不器用或いは嘘つきな人たちのお陰でやたら駆け足になってしまいました。
ちなみにこの話題は最初に呼ばれたゲスト、サツマカワRPGにも繋がっていた。サツマカワはシティホテル3号室のふたりとほぼ同期で、まさに押田が結婚したであろう時期に、恋愛話をしていたこともあったらしい……なんだかあちこちに影響している。
次回は夏終盤、8月22日。劇場が増えます、と田中さんが言ったとき、ちょっと期待してしまいましたが、長崎と東京のTOHOシネマズ西新井だそうです……個人的に上野とか日本橋でやってくれたら有り難いんだけどなあ。
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