作業、終わってません。しかし本日は、東京03の単独公演、追加公演のライブ配信当日です。この配信チケットは9月いっぱいアーカイヴ視聴できるので、そんな忙しいときにわざわざリアルタイムで観なくても、ましてや当日のうちに感想を書こうとしなくても……とは思いますが、ブログのネタになると同時に、大いなる気分転換でもあるので、強行します。
ただ、リビングにノートパソコン持ち込んで、公演の感想をちまちま記しつつ、並行して作業もしているので、一部あやふやになる可能性があることはご了承ください。
毎度のごとく、ネタの細部については伏せつつ執筆するつもりですが、後日のBSでの放送や配信、映像ソフトでの鑑賞までちょっとのネタばらしもして欲しくない、という方はスクロールしないよう語注ください。
なお、以前の東京公演の際に記した感想はこちら。下の写真はその当時撮影したものの流用で、たぶん現地の今日の状況とは違います。これをもう1回撮影するためだけに恵比寿まで行く余裕はさすがにないわ。
2024年5月15日、恵比寿 The Garden Hall入口前にに掲示された『第26回東京03単独公演「腹割って腹立った」』ポスター。
お馴染み、元マネジャーの大竹涼太作曲&演奏によるオープニング曲は《ハラワッテ》。的確なタッチと、ジャズ的なアドリブ感のある演奏は毎度ながら素敵です……つくづくこの人は何故マネジャーだったのか、そしていまは芸能事務所社長なのか。それが好きなんだろうけれど。
最初のネタは《謹聴》。ここ、いきなり感心したのは、漠然と記憶している最初の鑑賞時と、流れは変わっていない。間の取り方とかは調整を施していると思われますが、公演の序盤でほぼ完璧に固まっていたのが窺えます。
ここでかかるテーマ曲は《腹割らないで》。角田さんの弾き語りかと思いきや、自身で様々な楽器を演奏したものがどんどん重なっていく作り。編曲はいつものカンケさんですが、これまでになく角田さんらしさと音楽的クオリティが融合した出来映えです。サントラでのほうは何度も繰り返し聴きましたが、映像があると余計に昂る出来です。
2つ目のネタは《角砂糖》。たまーにある、ミュージシャンを演じたネタですが、他のネタと同様、本人達の実年齢に合わせ、演じる役も展開も年齢を上げているから違和感がない。これも最初の東京公演でほとんど完成されてましたが、繰り返し演じてきたからこその遊びが増えていた気がします。序盤のあの動きはなかった気がするぞ。
幕間その1《第1話 突然やって来た男》。すっかり単独公演恒例となった、幕間映像の連続ネタ。これまで以上にメタっぽい仕掛けで、個人的にはとても好き。
3つ目のネタは《好々爺》。これも最初に観たときにほぼ仕上がっていたけれど、だんだんと角田さん演じるおじいさんのヤバさが際立っていく感じが面白い。でもやっぱり細かく新しい小技が追加されていたかも。後から付け足した部分が、ツアーの間にしっかり固まっているので、違和感が見つからないのよね。
幕間その2《とある田舎の老夫婦》。最初の幕間ネタとリンクしつつ、直前のネタから直接繋がる内容。ただこれ、配信だと、若干音響が伝わりにくかった気がします。そこが大事なんだけど……まあ、これは再生側の音響のコンディションもあるので、配信のせいではないと思う。後日、アーカイヴでは別の環境で観るか。
4つ目のネタは《昔話》。かつては03の代名詞だった、居酒屋での会話スタイル。ただしこれも、本人達の年齢に設定も合わせていてリアリティが強まってます。そして、長めのフリから急速に各人の個性が活きてくるクライマックスになだれ込んでいく様がまさに東京03、という印象。細かい所作をブラッシュアップさせ、、レベルを上げる一方で……オチはあれだったっけ? 少しキャリアのあるファンなら笑うけど、少し新参の方はピンと来ないのではなかろうか。
幕間その3は、お馴染みニイルセンのイラストアニメーション×実写の、東京03ライブの発明と言えるスタイル。最近、このネタは豊本さんが独自の理論を展開をしがちですが、今回は幕間その1を受け継いで、角田さんがただただ暴走してます。
5つ目のネタは《間》。最初に観たときも思ったけど、これは結構冒険的なネタだと思う。かなり取扱の難しいシチュエーションで、お笑いの質を向上させる“間”を意識的にイジるという、ものすご~く難易度の高いことをやっている。これを成立させられるのは、長年単独公演を重ねてきたキャリアの為せる技だと思う。その一方で、終盤の遊びがだいぶ過剰になった気がするのも毎度のこと。
幕間その4は単独公演お馴染みのグッズ宣伝入りオリジナル曲《マナシカ》。これは本当に大好き。宣伝をいつも通りに組み込みながらも、音楽としてのお遊びも際立ってる。最後の最後に判明することが、会場の笑いを誘ってるのも見事です。
6つ目のネタは《一人相撲》。飯塚さんの脚本による最後のネタ。単独公演でときどきある、飯塚さんがちょっとサボりたいときの仕掛けを応用した結果、壮絶なまでの角田さんひとり芝居になってる――全員舞台にいるので、ちゃんとリアクションは取ってるけど、たぶん飯塚さんも豊本さんもこのネタはただ楽しいだけだと思う。急転直下のオチもいい。
最後の幕間は、連続ドラマの完結篇《ドラマ 海街狂騒曲》……いつの間にかタイトルがついたことも含めて、メタな仕掛けの集大成。各ネタの要素もちりばめつつ、うまくまとめてます。
本篇大トリは、単独公演恒例のオークラ脚本による長篇ネタ《やめる》。このところ何度かあった、幕間映像に絡めたネタではなく、《角砂糖》のネタを引き継いだエピソード。これも年齢相応の要素に、音楽業界によくありそうな内容をふんだんに詰めこんで巧みに盛り上げたあとに、豊本さんが掻き回してくる。基本的には笑わせつつも、飯塚さんや角田さんの思考が、キャリアを積み重ねた表現者の葛藤が詰めこまれていて、妙に共感と感慨をもたらします。なおこのネタは、間違いなくオチが変更されてる。最初のままだと若干後味が悪かったのが改善されてるので、いい調整だと思います。
エンディングテーマ《達観》を挟んで、ここからが追加公演のお楽しみ。今回はゲストを招くのではなく、映像化されていない初期のネタの再演。ほとんどの作品が映像化されている東京03ですが、ごく初期の作品だけは、撮影もされていないので、映像として残っていない。こういう形での再演は願ったり叶ったりです。
ネタは《引っ越し屋》。何と第1回単独公演の作品だそうな……そりゃあ私も観たことがないはずだ。何というか、完成された東京03のスタイルと違い、どこか初々しさが滲むのが面白い。とはいえ、今の全体にレベルが高いと言われる若手がやっていても不思議のない、まとまりと安定感はさすがです。昨今の03のネタよりも動きが激しめで、キャラが無茶苦茶なのもなんだか新鮮。
エンディング曲のあとのお断り文によれば、さすがにそのまんまでは納得がいかないので、けっこう手を入れたため、新作と捉えてもらっても……みたいな言い訳をしていましたが、アフタートークでの飯塚さんの弁によれば、それどころではなく、当時は手応えがあったネタのはずなのに、台本を引っ張り出してみたら「面白くなかった」らしい。何と、飯塚さんと豊本さんとで役を入れ換えることまでしていて、たぶん本当に趣は変わっていたはず。事実、角田さん自身も「新鮮だった」と言っていました。
以上にて、配信公演は修了。実は角田さん、冒頭の《謹聴》でいきなり台詞を飛ばすポカをやったそうで、幕間で飯塚さんと豊本さんははしゃいでいたそうな。角ちゃんが配信でミスるのがいちばん楽しい、って人の悪い物言いですが、ちょっと解る。ちなみに私は気づきませんでした。あえて間を作ったのかと思ってたよ……ほぼ同時進行で書いていた感想でも、そう捉えてるのが伝わるはず。しかしこれもまたライブの醍醐味。今日の上演が、映像化でも使われるようなら、ご愁傷様、としか言いようがない。たぶん、そういう事態に備えて、追加公演の別日にも撮影はしてると思うけど。恐らく昼公演。追加公演は機材席解放による追加販売があったけど、31日分だけは販売がなかったから。
何にせよ、今回も楽しかった。いまから来年の公演が待ち遠しいです……それまでにまた企画ものがないだろうか。個人的に、この時期にバナナマンとのユニットコント《handmade works》があるのではないか、と勘ぐってるのです。何故なら、バナナマンが常小屋としていた俳優座劇場が来年春で閉館となるから。いい機会だと思うのですが、どうだろう――双方ともすっかり多忙なので、難易度は高いだろう、と察しつつの希望的観測。
ところで今回、初めて利用するシステムでの配信でしたが、とっっっても順調に鑑賞出来ました。接続はスムーズで、回線の混雑なども発生せず。こちらの回線のコンディションもよかったのかも知れませんが、以前は他が繋がっていても映像の停滞が起きていたくらいだったので、たぶん遙かに安定してる。これなら、今後の配信は安心して購入出来ます。実際、今回も購入しながらちょっと不安だったの。
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