酒林堂八雲のあと。
既にそこまでで疲労困憊だったので、帰りはタクシーを呼んでしまおうかな、などと考えていたのです。しかし、お酒にビールまで入れてしまったせいか、念願だった中原麻衣さんのサインをいただけたことでテンションが上がったのか、結局、歩いて帰ることにしました。
ただ今回、帰りは思いのほか楽でした。イベント前ににわかにスタンプラリーに挑んだときに発見したルートを使ってみたところ、負担が少なかったのです。実は、初めてこのイベントで松江を訪れた際にも、割り出していたルートではあったのですが、ちょっと遠回りになるまで避けていた。しかし、今まで使っていたルートは宍道湖大橋をメインにしており、長い橋ゆえの勾配が結構キツかったのに対し、このルートは終始フラットに近い。だから、斜面で受けるような負荷がなく、楽だったのかも。まあその代わり、こちらの通りは段差や、地面の破損が修繕されていない箇所が多く、油断すると躓きかねないのがょっと難か。
宿に辿り着き、併設のコンビニで、心持ち空いている小腹を埋めるためにチキンラーメンどんぶりミニとお茶、そして、カールを購入。
実のところ、カールはず――――っと買って帰りたかったのです。数年前に西日本のみの販売となり、松江は西日本だからどこかにあるはず、と思っていたら、意外と見かけない。特にここ何回かは、わりとタイトなスケジュールで行動しており、住民向けのコンビニとかに立ち寄る機会も少なく、立ち寄ったとしても余裕がなく探せなかった。私の記憶では、ホテルの併設店にも以前はなかったはずなんですが、似たような声があって、入荷するようになっていたのかも知れません。折角なので、母へのお土産も含めてふた袋買ってしまいました。
部屋に戻ると、小さいチキンラーメンで小腹を満たしたり、シャワーで身体を流したり、取り急ぎここの更新をして、詳しいレポートを少しだけ書き進めてから、平素よりだいぶ早い時間に就寝。夕方、いつもの透析が余裕を持って実施出来るくらいの時間には戻れるように予定は組んだものの、29日の往路よりはだいぶ朝ゆっくりめの出発です。そこまで焦って寝る必要はありませんが、なにせ朝早く出かけ、仮眠どころか休息もあんまり取っていない。きちんと眠っておかないと、寝過ごす恐れがある、と考え、早めに眠ることにしたのです。
目覚めたのは、5時半でした。
いや早えぇって。少しは早起きしたほうがいい、とは思ってたけど、ホテルにお願いしたモーニングコールだって7時だし、朝食のバイキングだって7時45分からだぞ。
二度寝しようか、とも思いましたが、それこそ寝過ごす危険が高い。前日の疲れもあり、布団の上でもぞもぞしておりましたが、6時を回ると、諦めて起床しました。
どうするか思案して、とりあえずフロントに内線をかけました。モーニングコールのキャンセルをお願いし、試しに朝食の時間帯をいまから変更できないか、相談してみた。結果、フロントの方から連絡してくださるので、そのままバイキングの実施される館内のレストランに向かっていい、と言われました。
というわけで、普段ならまだ寝ているであろう時間に朝食です。前日、変な食事の仕方をしたせいか、だいぶ胃が疲れているのを感じていましたが、ここでは毎回いただいているしじみのみそ汁に、あごだしのお茶漬けをメインにして組み立てて、そこそこしっかりと食事を摂りました……なんか、成り行きで野菜を取り損なってしまったけど。
部屋に戻ると、当然ながら、チェックアウトにはまだまだ早い。ノートパソコンを開いて各種の書き物を進めつつ、荷造りも実施。そして結局、当初、宿を出るつもりだった時間より1時間ほど早くチェックアウトしました。
外は大雨。駅まではバスを利用するつもりで、時刻表を確認の上、ちょっとゆとりをもって待機していたら、風は強いわ雨脚は激しいわ、立っているのもしんどい。困ったことに、バス停付近には雨宿り出来る場所もなく、ただ濡れるしかない。バスが来たときには、救われた気さえしました。
松江駅に到着すると、お土産店を眺めたり、トイレに入ったりして時間を潰す。そして待っているうちに、外はすっかり雨が上がっていました……実は、雨が上がっていた時間帯こそ、当初の予定で松江駅行きのバスに乗るつもりの時間帯だったのです。早起きは三文の徳、って言わなかったっけ? “徳”であって“得”ではないんだけどさあ。

ともあれ、少し余裕をもって改札を通り、ホームにてのんびり帰りの特急やくもを待つ。時間が近づいて立っていたら、近くで鳥が、落ちている食べ物をついばんでいたので、思わず撮影。
10時過ぎ、特急やくもにて、松江駅を出立。乗り換えの岡山が終点だから、寝てしまう、というのも一手でしたが、iPhoneを使って書き物を進めたり、車窓を眺めたりしながら時間を潰す。どこも似たような田舎町なんですが、そういう光景が基本的に好きではある。
3時間ほどで岡山駅に到着。昼食時ですが、チケットを取った新幹線の時間まで30分、下手なところで注文すると食べきれない。が、私はちゃんと調べをつけてました。

岡山駅の上り新幹線のホームには、駅弁売り場とともに、倉敷うどん ぶっかけ ふるいちというお店がある。私が目を付けていたのは、ここです。
本店は倉敷でのぶっかけうどんの発祥といい、岡山県内に複数店舗を構えている。そしてこのホーム内の店舗では、持ち帰りも提供しているのです。ぶっかけうどん限定ですが、出発時間を考えず、ゆっくり食べられるのは有り難い。実のところ、調べて発見したその時点で、帰りの一番の楽しみは、これだったのです。

肉ぶっかけやとろろ入りもありますが、あえて普通のぶっかけを購入。タレについては、予めかけてもらうことも出来ましたが、お店の方に相談した結果、別袋で提供してもらうことになりました。
新幹線が入線するとすぐさま乗車、走り出して落ち着いた頃合いに開けて、いただきました。
……うん、確かに美味しい。
讃岐うどんに近いもちもち、弾力のある麺が、濃いめのタレを絡めても食感や麺そのものの美味しさも立っている。具材は揚げ玉に海苔、ネギだけですが、それぞれの風味もよく馴染みます。
適度なところでわさびを少しずつ加えていくと、味が締まってまた風味が変わる。ぶっかけの汁は少なめとは言い条、どうしても絡みきらないぶんが残るのですが、それまでしっかり飲みきってしまうくらいに美味しかった。
幸いだったのは、私が乗車したとき、隣席に誰もいなかったことです。ぶっかけで汁は少なめ、とは言い条、隣で麺類を食べられると落ち着かない、と思われる方では申し訳ない、と危惧していましたから、伸び伸びと堪能させていただきました。
……とはいえ、新神戸、新大阪と、だぁぁぁれも隣に座らないのは、ちょっと気持ちが悪かった。通路を挟んだ3人掛けの席は、やたらと人が入れ替わり立ち替わりしていたのに、なんでこちらには誰も座らないの? 指定席よ?
名古屋でようやく隣の席が埋まったので、ようやく安心しました……見えない何かに遮られてるのかと思ったわ。
そして夕方、無事に帰宅。
計画したときはさすがにキツいのでは、と思いましたが、やってみるとどうにかなります。往路は、久々の新幹線利用かつ、想定外のトラブルで便の変更もあって、バタバタしてしまったものの、帰りは概ねスムーズ、楽しみにしていたぶっかけうどんもいただけたので、文句なしです。
……とはいえ、さすがに疲れました。
影響は翌日のほうが顕著でした。目が覚めたら、怠くて仕方がない。なかなか動けないし、移動中はずーっとボストンバッグの紐を引っかけていた右肩が痛い。足はともかく、荷物を主に保持していた右腕に複数の痛みがあります。
制約も合って、タイトなスケジュールを組みましたが、やっぱり旅は余裕を持つべきだ、と改めて痛感しました……まあ、タイトならタイトで、予定が狂うバタバタや、前日のスタンプラリーみたいな偶発的、突発的な思い出も出来るので、それはそれで楽しいんですけどね。


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