12月13日の映画鑑賞のあと。
映画鑑賞の項で記した事情により、私としては珍しく、映画館で飲み物を頼んでいない。普段より仮眠は短く、移動でそれなりに体力は使っているせいか、映画館を出た頃には喉の渇きは勿論、血糖値がやや下がってきた感覚がある。五郎さんよろしく「腹減った」と頭の中で唱えつつ、途中のコンビニでお茶を購入し、急ぎ足で大久保公園へ。
《志向のラーメンフェス》も大詰めの金曜日、だけど急激な冷え込みと不穏な雲行きのせいか、会場の人出はちょっと寂しい。次のスケジュールまでの時間が限られている私には有り難いけど、お店は気の毒です。可能なら2杯くらい食べたいところですが、私のお腹にはそこまでの空き容量はないので、始めから考えていた店舗のブースに突入するのみ。
鬼そば藤谷の松阪牛の煮込み濃厚味噌ラーメン~冬の贅沢LASTスープ~、トッピングはローストビーフ2枚追加。
いただいたのは、鬼そば藤谷の松阪牛の煮込み濃厚味噌ラーメン~冬の贅沢LASTスープ~。トッピングはローストビーフの2枚追加。ネットでアナウンスしていたのがこれだけで、なにせこっちは空腹を抱えて飛び込んでますから、他にトッピングがあったのかは確認してません。許して。
実店舗は、浅草に移転して二度ほど訪れてますが、イベントで食べるのはこれが初めて……気分的に色々あったので。実店舗で美味しさは確認してますし、移転1年ちょっとで閉店という選択をしたそうで、もしかしたらイベントで食べられるのはこれが最後になるかも知れない、と、今回のイベントでは必ず訪れるつもりでした。折良くタイタンシネマライブと日程重なってたし。
それにしても、見た目はほぼ肉です。もつ煮込みに隠れて普通のチャーシューが1枚、もともと添えられているローストビーフ1枚に、追加の2枚が重なっていると、麺があんまり見えないくらい。
とりあえず、丼を持ってスープを啜る……素晴らしく美味しい。味噌の辛味はやや抑えめに、松阪牛の甘みがコクとなって溶け込んでいて、スープだけ飲んでいてもいいくらい。
ここの実店舗ではストレートの細麺ですが、今回は太麺に近い中太縮れ麺。腰があるけどほどよく柔らかく、しっかりとスープを纏って上ってくる。もしかしたら、麺も少しスープとともに煮込んでいるのかも知れません。絡む、というより吸っていそうなくらいで、麺とスープの旨味が一体となってる。
肉も順番に堪能していきます。まずはもつ煮込み。実は私、もつは全くと言っていいほど食べたことがない――昔は父が好きで、母がしばしば料理してましたが、その煮込む匂いがあまりにも苦手で敬遠していたのです。しかし最近は、好き嫌いなく何でも口に運ぶ井之頭五郎という人をず~っと眺めていたせいか、興味を抱き始めていた。で、恐る恐る口に運んだのです。
美味しい。臭みはなく、肉の旨味しかない。本当によく煮込まれているようで柔らかく、噛んだときに口の中に広がるジューシーな甘みときたら。一口で苦手意識はぶっ飛び、味噌のスープに漬してひたすら口に運ぶ。
合間にローストビーフを口に運ぶ。なにせ熱いスープに浸っているので、気づけば赤身はほとんどブラウンになってますが、ムチムチとした歯ごたえと、ローストされ凝縮された肉の風味はちゃんと感じられる。もつの庶民的な風味に対し、こっちは貫禄のある風味、と言おうか。
もつとローストビーフによって本当に影に追いやられてますけど、普通のチャーシューも実店舗で提供されるものと同様、箸で解れるくらいによく煮込まれた柔らかさ。コクがあるけどクドくない脂、肉の味わいも安定感、安心感がある。
あえて大きめに刻んだネギの歯ごたえと仄かな辛味、爽やかな苦みがまたいいアクセントとなって、肉づくしなのに気持ちよく箸が進む。冷え込みの強い日、空腹も手伝っていたとはいえ、躊躇なくスープまで飲み干してしまったのは、本当に美味しかったからです。
実店舗で提供していないのが残念なくらいの名品。とりあえず、浅草に店舗があるうちに、何度か立ち寄っておこう。もしかしたら、またこの味が楽しめるかも知れないし。定番の鬼塩ラーメンも充分美味しいけど、私の好みは今回のメニューのほう。
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