『時効警察』第四話

 三人目の監督は、『自殺サークル』の園子温。人気2時間ドラマ・シリーズの主演女優が崖から転落死した事件、容疑者となっていたのは現在、その役を引き継いだ元弟子の女優である。他の刑事達から過去の作品を見せられてにわかにファンとなってしまった霧山は、いつもとは違うハリキリ方で調査に乗り出すが――

 んー、更に小ネタ含有率が下がって寂しい。キャラクターの変人っぷりなどは相変わらずなのですが、個々で振ってくるネタの密度が下がってきているので薄味。そのぶん、いちばん精力的にネタを振った霧山が初めて主人公らしい存在感を終始見せ続ける回にはなってましたが。

 事件の出来は相変わらず微妙。話聞きゃだいたい真相は想像つくじゃんなんでそれが時効を迎えるほどの謎になるの?! 真相に辿り着くまでの話運びも無茶苦茶で、謎解きとしてはこれまででいちばん下手でした……というか、園子温監督ってやっぱり、合理的な筋運びが出来ない人だ、という印象を新たにしただけでした。ちゃんとシリーズのお約束を踏まえた解決編の描き方は巧く、『時効警察』の一篇、という意味合いでの出来はいいのですが、ミステリとしてはいちばん駄目。園子温監督は自分で脚本を書かない方がいいと思いまっせ。

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