『イノセント・ラヴ』第三話

 佳音が働いている時間に、聖花の生命維持装置を繋いだチューブが外れる、という事故が起きた。殉也は、かつて自死を選ぼうとした彼女が、植物状態ながら自分でチューブを抜いたのでは、という疑いを抱くが、昴はそんなことはあり得ないと否定する。一方、佳音は兄の仮釈放に備え、彼の職場と当座の生活費の捻出に奔走していた。しかし、重罪を犯したと目される人物を雇ってくれる場所はなく、佳音は追い詰められていく。挙句に、疑念を拭いきれない殉也から、掃除の仕事を断られてしまい……

 回を重ねるごとに、なかなかいい感じになっております。殉也の周囲で輻輳する思惑と、佳音の苦しい想いとが折り重なって、サスペンスに発展する。でも、そこでちょっと意外な方向へ話を転がして引っ張っていく、と実に呼吸が巧みです。

 もともと幸薄そうな役が似合いそうだった堀北真希ですが、今回その繊細な容姿と演技とを徹底して活かす方向で進めているのも好感が持てます。昴や美月の複雑な想い、仮釈放を契機に暴走していく耀司などなど、今後の展開への布石も随所にある。今のところとっても着実に盛り上がっています。

 が、経過が良ければ良いほど、締め括りをどーするのかが気になってくるわけで。なんか、伏線の張り方が露骨に、佳音にとって残酷な方向へと進んでいるような……。

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