レンタルDVD鑑賞日記その62。

 激しく炎上した車の中から発見された、骨のみ残して焼けた屍体。車の中に子供もいた可能性が考えられ、ブース捜査官は別れた夫が子供を誘拐した際の悲劇と推測したが、その夫はある企業の犯罪を告発、証人保護プログラムの監視下にあった。では、犯行は夫の証言を阻止しようと目論んだ企業の差し金か? ブース捜査官とブレナン博士は捜査を急ぐ。何故なら、攫われた子供は未だ生きている可能性があった――

 色々とユニークな展開が盛り込まれたエピソードです。事件と並行して、ブレナン博士と同僚たちに、国家反逆の可能性がないか調査する、というくだりが描かれ、それぞれの過去や仕事に対する思いの違いが示されていきます。はなから無害な人間と判断されて逆ギレし「俺も聴取しろよ!」と詰め寄るホッジンスが愉しいのですが、最後のブレナン博士とのやり取りが謎です。あとあと何かに関わってくるのか。

 事件のほうもシリーズでは珍しい結末が待っていますが、推理の過程こそこのシリーズらしいものの、その中で目覚ましい展開はないし、全体としてはけっこう有り体なサスペンスドラマ調になってしまって、却って物足りなさを覚えたり。

    • 第12話『ヒーローの死』

 ビルの谷間で発見された、奇妙な衣裳に身を包んだ白骨死体。その正体は10代の元ひきこもりでコミックマニア、身に着けていたのは自作の漫画に登場するヒーローの衣裳を模したものだった。研究所の所長らは漫画の表現からも手懸かりを得ようとするが、ブレナン博士にはいまいち理解できない。そんななか、遺骨の調査を進めていたザックたちは、意外な発見をする……

 こちらはシリーズ本来の筋運びなので、その意味では納得がいく……のですが、納得いかないのは、漫画に描かれた内容から作者の心情を推し量ろうとする手法の安易さです。確かに、他人に見せることを意図しない作品、他に何も書いていない人間なら、当時の境遇や心情を反映させることもあるでしょうが、作り手を志す人間はそれなりに様々なフィクションに接し、それらのほうにより色濃く影響を受けて創作するものです。素人がざっと眺めただけで胸中を判断できるほど簡単じゃない。スクインツたちの浮世離れした思考回路を示す、という意味では面白かったものの、それを本気で採り上げるのは避けて欲しかった。

 とは言うものの、謎解きの過程で明かされた被害者の秘密や本心、そして最後の弔いの場面で見せる、かつての友人たちや研究所の人々の優しさはなかなかグッと来るものがあります。

 ちなみに本日は、夕方にも気分転換としてもう1枚別のDVDを鑑賞していたのですが、残り20分ぐらいのところでパソコンのDVD再生ソフトがフリーズしてしまいました。盤面を確認したら外周に濃い染みのようなものがついており、一般のDVDプレイヤーで再生してみても、そのあたりでブロックノイズが大量に発生してとうてい観られる状態ではない。すぐに返送して、代わりが届くのを待って仕切り直します――すんごいモヤモヤした気分ですが、別のもので口直しをする余裕は今ないのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました