『死の十字路』芦辺拓×辻真先トークイベントつき上映。[本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画『美女と探偵』(3)]

 もし何もなければ今日は『X−MEN:ファースト・ジェネレーション』を観に行っているところですが、今週も『美女と探偵』のイベントがあるので、そちらを優先。……しかし、上映開始間近では満席になっている可能性がある、と先週の経験で学んだので、とりあえず朝からいちど出かけてチケットを確保。雨が降っているために、電車で。あああ、自転車で出かけるのが習い性になっていると、この程度の距離で電車を利用するのがもったいなくて仕方ないっ!!

 しかし午後は天候も回復してきたので、意気揚々と自転車にて出発。劇場では飲み物を売っていないので、空にしたサーモボトルを近くのタリーズコーヒーに持っていって詰めてもらおう……としたら妙に閑散とした雰囲気。やけに念入りに「店内でお召し上がりですか?」と訊ねてくるので、なにゆえ、と訊き返すと、18時から映画の撮影があるので、17時で閉店ということになっていたのだそーで。まあお持ち帰りなので問題はありませんでした。映画鑑賞後にふと立ち寄ってみたところ、本当に煌々と照明を焚いて撮影してました。どーいう作品なのかは確認しませんでしたが……いちおう訊いてみても良かったか?

 それはさておき、本日の作品は、江戸川乱歩原作、渡辺剣次原案&脚本による倒叙もの『死の十字路』(日活配給)。乱歩原作、と言い条、実質渡辺剣次の作品なので、らしさは薄いもののミステリとしての精度は高い。偶然がもたらした死の交錯が、事件の先読みを困難にし、それでも丹念な伏線がラストの驚きとドラマに繋がる。演出も堂々たるもので、こー言っては何ですが、日本映画らしからぬスマートな仕上がり。面白かった。

 上映終了後のトークイベントは、毎回登壇の芦辺拓氏に加え、辻真先氏が登場。黎明期のテレビ業界で活躍した上にアニメ脚本にも携わり、実はNHK在籍中に『死の十字路』と同じ人物の製作した作品で初めての映画脚本を手懸けた縁もある、ということからの参加だったそうです。

 さすがに当時、現場にいた人だけあって、興味深い話題が出て来る出て来る。速筆で知られる島田一男氏が初めてテレビドラマの脚本を担当することになるものの、当時はドラマも生放送、場面転換の制約が著しいことを知らなかったため使い物にならず、辻氏が1日で急遽書き上げる羽目になったという。これの主演がフランキー堺で、台本の読み合わせの際、まさか隣にいる辻氏が書いた脚本と知らず、内容についての愚痴を延々こぼされた、という話が可笑しかった。他にも、当事者がもう亡くなっているので、とものすごーい裏話も語っておられましたが、量が多すぎて整理しきれないので詳細は略します。メモは取ったんですけど。

 終了後、ホールにて辻氏にお願いしてサインを頂戴しました。ちょうど手近にあったのが牧薩次名義で刊行した『完全恋愛』だったので、それに書いていただいたのですが、さり気なく辻・牧双方の名前を書いてくださいました。わーい。

コメント

  1. ホーナー より:

    芦辺さんはつぶやきが障壁。

    最近2作ほど一気に出された芦辺さん。
    映画のトークイベントなどにも出てらっしゃるんですね〜。
    いろいろと活躍されているみたいなので、どうやって作品を
    作っているのか、ネットで探してみました。
    まぁ、核心部分は無かったんですけど、芦辺拓さんの性格を
    分析しているサイト見つけました。
    http://www.birthday-energy.co.jp

    どうやら、常に見直してないと気が済まない性格らしいです。
    道理で好不調があったりするんですね。
    でもチャレンジされてるってことでしょうし、このままがんばって
    ほしいですね!

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