『ほんとにあった怖い話〜3Dマルチシアター』演出:鶴田法男/主演:松浦亜弥

 というわけで最大のお目当て、『ほん怖』3Dムービーの感想。さすがに別ファイルを設けるほど書くことはないので、こちらで済ませます。

 あるカップルが心霊スポットと呼ばれる廃旅館を訪れて怪奇現象に遭遇する、というよくあるパターンですが、正直なところ『ほんとにあった怖い話』の一話として公開するのはちと正しくないと思う。さすがに現象が荒唐無稽すぎて、慣れている身には予測がつく上に失笑ものでした。

 が、こういうイベントの企画ものとしては正しい作りだと思います。本式の“怪談”をやっても消化不良な印象を与えるのは確実なのですから、いっそ割り切ってアトラクション的な怪奇現象を盛り込んでいったのは間違いではない。実際、こういうのに慣れていないと思しいお子様や女の子同士の観客はいい具合に悲鳴を上げてました。一部やりすぎではありましたが、そういう意味ではいい仕事をしてます。

 主演の松浦亜弥はホラー初出演という触れ込みでしたが、もともと万事そつなくこなす子なので心配はしてませんでした。思った通り、ハキハキした口調にいつもの可愛らしさは損なわず、しかし要所要所でちゃんと恐怖に震える女の子を見事にこなしてます。如何せん話が単純なので、ちゃんとツボを押さえて演技が出来る彼女の存在はけっこう重要です。

 肝心の3D効果も、素晴らしく精密な出来で驚きました。人物が手前から奥へ向かう場面など、対象物がフレームの左右で欠けた状態から中央に移動してくる状況では違和感を齎しますが、それ以外では被写体が本当に手許まで飛び出してきているような臨場感が味わえる。こういう、普通ではあり得ないものを描き出す映画では、3Dという方法はなかなか有効かも知れません。

 劇場で貸し出される3Dメガネはちゃんと普通の眼鏡の上からかけられるデザインになっているので、その点でもストレスはない。映画の出来を別にしても、いちど味わってみて損はないでしょう。席に余裕があれば1DAY PASSPORTにて入場可能、パスを持っていなくとも300円支払えばこれだけ鑑賞出来るので、お台場冒険王を訪れる予定のある方はついでに御覧ください。

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